ギャハハ三銃士
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『ギャハハ三銃士』は、赤塚不二夫と藤子不二雄とつのだじろうの三者による合作ギャグ漫画。1966年に週刊少年サンデー新年増刊号(小学館)「お正月まんが号」の特別読切作品として発表された。
『おそ松くん』・『オバケのQ太郎』・『ブラック団』のキャラクターが一堂に会して繰り広げる、西遊記をモチーフとしたドタバタギャグ漫画である。
なお『三銃士』とタイトルにあるが、アレクサンドル・デュマ・ペール原作の小説『三銃士』とは全く関係無い。
ストーリー[編集]
とある国の宰相が、知的障害のある王様のために、西隣の「イヤミ国」にある『頭の良くなる薬』を盗み出そうと、国民の中から精鋭を選び出す。選ばれたのが、チビ太(孫悟空役)・Q太郎(猪八戒役)・デカパン(三蔵法師役)・(ブラック団の)タロー(沙悟浄役)の四人。命を受けた彼らはさっそく西に向けて出発する。ところが、この情報が当の「イヤミ国」に漏れ、四人は道中様々な妨害に遭うことになる。
散々冒険を繰り広げたあげく見事に(?)薬を持って帰るのだが、実はこの薬は『頭のよくなる薬』ではなく『頭のよわくなる薬』だった。そのせいで、王様はもっと酷い馬鹿になってしまう………というお話。
登場キャラと配役[編集]
配列は登場順。
- 『おそ松くん』より
- チビ太:孫悟空
- デカパン:三蔵法師
- ダヨーン:ダ・ヨーン博士(「イヤミ国」守備隊の第一要塞隊長)
- 六つ子:第一要塞隊メンバー
- ハタ坊:第二要塞隊メンバー
- イヤミ:「イヤミ国」国王
- 『オバケのQ太郎』より
- Q太郎:猪八戒
- 小池さん:「イヤミ国」守備隊の第三要塞隊長
- ハカセ:第三要塞隊参謀
- ゴジラ、木佐くん、よっちゃん:第三要塞隊メンバー
- 正太:オタフク風の神
- ドロンパ:薬を作った仙人
その他正太のパパとママ、神成さんが冒頭にモブキャラとして登場している。
- 『ブラック団』より
- タロー:沙悟浄
- カポネこと可藤骨蔵:第二要塞隊長
- ジロー、少年探偵団:第二要塞隊メンバー
- ヒゲトラ刑事:守備隊成績調査官
エピソード[編集]
作者の一人であるつのだじろうによると、当時はお互いかなりの多忙なスケジュールの合間を縫って作画に取り組んでいたため、赤塚・藤子A・藤子F・つのだの四名がスタジオ・ゼロが入居していたビルの一階にある喫茶店で大まかな筋を打ち合わせしたこと以外、この作品を描いた経緯や、「三銃士」と銘打っておきながら「西遊記」になってしまった理由などは全く覚えていないという。
単行本[編集]
- 『赤塚不二夫漫画大全集 オンデマンド』版『1960年代 その2』 - Web注文のみ
- 2010年1月30日に発売された『藤子・F・不二雄大全集』(小学館)版『オバケのQ太郎・第4集』のラストに収録されている。なおこの本には、『ブラック団』のパロディが登場する「バードマン対フラック団」も収録されている。
補足[編集]
- 本作を掲載した「お正月まんが号」には、『おそ松』と『オバQ』の単独漫画を掲載(『オバQ』は「魔法のやかんの巻」、『おそ松』は内容不明)、また「ギャハハ世界旅行」という綴じ込み付録が付いていた。これは六つ子を始めとする『おそ松』キャラ(ダヨーン・松造・松代・トト子は除く)が世界一周をしたという設定の双六であり、「振り出し」は日本、「上がり」はハワイで、他の内容は次の通り。
- 中華人民共和国
- ロシア(当時 - ソビエト連邦)
- イギリス
- フランス(イヤミが乞食として登場)
- エジプト(当時 - アラブ連合)
- アフリカ
- サウジアラビア(「アラビア」名義)
- インド
- ベトナム(チビ太が「戦争反対」と言ってる世相反映場面)
- オーストラリア
- 南極
- 南アメリカ
- アメリカ合衆国
- なお1年後に発売された「別冊少年サンデー」1967年1月号では、付録の「サンデーゲーム盤」に「Qちゃんすごろく」という双六が掲載、オバQ・ドロンパ・P子が世界一周をするという内容で、こちらにも フランスのパートにイヤミ乞食が登場する。
- 本作で三蔵法師を演じたデカパンは、これより前、小学館の学年別学習雑誌『小学四年生』1964年4月号から1965年3月号まで連載された、『西遊記』をモチーフにした赤塚漫画『そんごくん』でも、「三蔵法師の三ちゃん」一行の一人としてレギュラー出演している。
- 当作品掲載1年前(1965年)の『週刊少年サンデー』3+4合併号の特集記事では、「大爆発!!まんがの爆弾!!」と銘打ち、当作品に先駆けて『オバケのQ太郎』・『おそ松くん』・『ブラック団』の合作ショート漫画が掲載されている。内容は歯を欲しがるQ太郎がブラック団に獅子舞の歯を持ってくる様頼み、ブラック団は獅子舞をゲットするも歯を壊してしまったため、今度はイヤミの出っ歯を頼むというもの。更に付録の双六とかるたには、3作の他、『伊賀の影丸』(横山光輝)、『ミラクルA』(貝塚ひろし)、『サブマリン707』(小沢さとる)も合わせて掲載されている。これらは全て、先述の『大全集』版『オバQ・第4集』に収録されている。
- 同時期の『週刊少年サンデー』2号の特集記事「シェー年賀状」でも、著名人や同時期公開の『怪獣大戦争』(1965年東宝公開)のゴジラなどと一緒に、『おそ松くん』のレギュラーキャラに混ざってタローとオバQがシェーをしている。この「シェー年賀状」は、竹書房から発売された『おそ松くん』文庫本(第2期)の第14巻ラストに収録されている。
- 『おそ松くん』ではこの後、テレビアニメ版第2作の第64話「ちびざるチビ太の大冒険」と第65話「トト子のわがままおシャカ様」で『西遊記』を再び登場、ここではチビ太が再び孫悟空を演じ、イヤミが三蔵法師、デカパンが猪八戒、ダヨーンが沙悟浄をそれぞれ演じた。また本作には登場しなかったトト子・松造・松代が、それぞれ釈迦如来・金角大王・銀角大王を演じている。その後1991年10月19日・10月26日に放送された『平成天才バカボン』とのコラボ『バカボンおそ松カレーをたずねて三千里』では、バカボンのパパが三蔵法師、バカボンが猪八戒をそれぞれ演じたのに対し、イヤミは沙悟浄、チビ太は孫悟空を演じた。これでチビ太は3回も孫悟空を演じている。