ガイジ
ガイジ(害児[1])は、障害者を表す差別語。ほぼ死語になっていた時期もあるが2chがきっかけで再び普及してしまった。
沿革
この単語がいつ、どこで発生したか(第一の誕生日)は不詳であるが、(主として)関西の小・中学生によって使われていたという資料もある。一度は死語となる[2]。
ハセカラ騒動以前にも用例はある。ざっと振り返ってみよう。
1998年、兵庫県揖保郡太子町の54歳の家庭教師が、子供たちがガイジという単語を使用していたと証言を残している[3]。2004年12月12日に22歳だった福岡市の障害者が、高校在学中に周囲からガイジと呼ばれた[4]。推定される誕生日は1981年12月13日以降1982年12月12日。高校までストレートと仮定して高校時代は1997年4月から2001年3月。
読売テレビ報道局専門部長で『現代用語の基礎知識』執筆委員の道浦俊彦は、2009年の朝日新聞に用例がある、と証言している[6][7]。いずれも散発的に問題視されているにすぎず、この時期のガイジは死語として問題なかろう。
しかし事件は起こるのだ。2012年3月7日、2ちゃんねるで過激な行為を繰り返していたコテハンの八神太一が特定されたことで歴史の歯車は大きく動き出す。この日はガイジという日本語の第二の誕生日である。この日以降、八神太一に対する事実追求路線が盛んになり、その一環として八神太一の元カノに関する事実追求も行われた。
具体的な日付は恒心教徒らも記録していないようだが、ついに第三の誕生日がやってくる。この日、八神太一の元カノが過去に
ガイジかな、あれ。怖い。足だんだんやるし。貧乏ゆすり自分の足殴るとか。あ、ゴミおいてく。 — Chihi Ro!、[8]
という発言をしていたことが開示される。当時八神太一の元カノは保育士志望の学生だったはずで、これは保育実習の感想と思われる。しかし保育士志望の学生がこともあろうにガイジという差別語を、全世界に向けて発信してしまうというギャップに恒心教徒らは身が震えた。これを境に2chのスレタイ検索で「ガイジ」のヒット件数が1000倍に増加したという[2]。
ここに興味深い報道がある。2012年5月、つまり八神太一特定直後の朝日新聞であるが、福岡市教育委員会の調査によると小学生の40 - 80%、中学生の90%以上がこの単語を知っているのだという[9]。彼らはネット(=恒心教徒)を介してこの単語を知ったのか、そこまでは報道も伝えていない。
2019年現在、まことに残念ながら各世代が使用するネット用語として復活している[2]。
出典
- ↑ 米川明彦 『俗語百科事典』 朝倉書店、2021年7月1日。ISBN 978-4-254-51068-3。
- ↑ a b c “ガイジとは?なぜ死語から蘇ったのか~死語から全国区へ広まった流れ”. 障害者ドットコム. 株式会社エースタイル (2019年6月6日). 2021年5月3日確認。
- ↑ “みんなクラブ”. 朝日新聞: p. 9. (1998年9月7日). "子どもたちが「ガイジ」というのを耳にします"
- ↑ “森裕生さん 健常者への働きかけ(ふくおかストリート ひと)”. 朝日新聞: p. 35. (2004年12月12日)
- ↑ 須山理絵「偏見のない社会を」、『市報松江』第12号、 1頁。
- ↑ 道浦俊彦 (2009年10月20日). “新・ことば事情 3710「ガイジ」”. ytv.co.jp. 2021年10月5日確認。
- ↑ “子どもの声、聞こえてる? 未来へ:6 友だちに注意できる?”. 朝日新聞: p. 27. (2009年1月8日)
- ↑ 八神太一の元カノのTwitter
- ↑ 山下知子 (2012年5月28日). “障害児差別語NO、授業で 「ガイジ」子どもに広がる 福岡市教委”. 朝日新聞: p. 31
関連項目
- LTA:IKE - WikipediaのLTA。障害者関連記事を荒らす。本アカウント名に「ガイジ」が含まれており、「ガイジ」などの差別用語を多用する。