オルカ (映画)

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オルカ』(原題:Orca)は、1977年アメリカイタリア合作の動物パニック映画。監督はマイケル・アンダーソン。製作総指揮はディノ・デ・ラウレンティス。妻子を殺されて復讐に燃えるシャチと漁師の対決を描く。「オルカ」は学名のOrcinus orcaから転じたシャチの別名。

あらすじ[編集]

アイルランド系カナダ人の漁師ノーラン(リチャード・ハリス)と乗組員のノバック(キーナン・ウィン)、ポール(ピーター・ホーテン)、アニー(ボー・デレク)は、水族館に売るためにオスのシャチを生け捕りにしようとするが、誤って妊娠中のメスのシャチを殺してしまう。これに怒ったオスのシャチはノバックを襲い、村のコンビナートを爆破する。海洋学者のレイチェル(シャーロット・ランプリング)はノーランにシャチを殺すことを戒める。ノーランは妻子を飲酒運転の車による交通事故で亡くした経験があるため、オスのシャチに共感する。しかし、村の漁師たちは災厄をもたらすノーランたちを白眼視し、アニーもシャチに襲われたため、ノーランはシャチとの対決を決意する。ノーランはポール、レイチェルと同僚のケン(ロバート・キャラダイン)、先住民族ミクマク族のウミラク(ウィル・サンプソン)とともにシャチを追って氷海に向かう。

解説[編集]

サメ映画ジョーズ』(1975年)の大ヒットに便乗して製作された動物パニック映画の1つ。『ジョーズ』でサメ退治に向かう船はオルカ号と命名されている。『オルカ』の冒頭ではシャチがサメを倒す。『ジョーズ2』(1978年)の冒頭ではサメに噛まれたと思われるシャチの死体が浜に打ちあがるシーンがあり、『オルカ』に対する当てつけの可能性がある。

シャチを怪物ではなく高い知能と家族愛を持つ共感できる存在として描き、他の動物パニック映画とは一線を画している。全体に漂う陰鬱な雰囲気、妻子を殺された男と男の決闘というストーリー、エンニオ・モリコーネの音楽により、マカロニ・ウエスタン的な作品といわれる。『ジョーズ』のパクリのようなシーンやB級感のあるシーンがあるものの、モリコーネの悲壮感と海の壮大さを感じさせる美しいメロディが作品のレベルを押し上げている。メインテーマに歌詞が付いたエンディングテーマ「We are one」はキャロル・コナーズが歌っている。