エレイン・シェーファー
エレイン・シェーファー（Elaine Shaffer, 1925年10月22日[1] - 1973年2月19日[2]）は、アメリカのフルート奏者。
アルトゥーナ出身[3]。地元の高校のオーケストラ部でチェロを弾いた後、ティンパニを叩いていたが、フルートに興味を持ち、独学でフルートを吹き始めた。また、ウィリアムズポートの楽器店でアルバイトをしているときに、ラジオから流れるウィリアム・キンケイドの演奏に魅了され、キンケイドに入門を嘆願する手紙を書いたことで、ジュリアード音楽院に進学してキンケイドにフルートを師事することとなった。キンケイドはシェーファーを優秀な弟子として認め、時折フィラデルフィア管弦楽団の首席奏者であったキンケイドの次席として演奏に参加させていた。1967年にキンケイドが亡くなる際には、キンケイドが自分の作っていたパウエル製のプラチナ・フルートを譲っている。1947年にジュリアード音楽院を卒業後は、エフレム・クルツが音楽監督を務めるカンザス・シティ・フィルハーモニー管弦楽団の次席フルート奏者となったが、この職に就く前にピッツバーグ交響楽団の入団オーディションを受け落選している。その落選の理由は、当時の音楽監督であったフリッツ・ライナーの言によれば「女だから」であった[4]。1948年にクルツがヒューストン交響楽団の音楽監督に転出するのに伴い、シェーファーはクルツの転出先に首席フルート奏者として移籍。1953年までその職を務めた後、ロンドンで独奏者としてデビューを飾った。1955年にはクルツと結婚している。また、スイスのグシュタードに滞在し、イェフディ・メニューインやヘプツィバー・メニューインらと親交を深める。また、ヘルマン・ヘッセ、カール・バルト、マルク・シャガール等の文化人とも親しく交流した[5]。スイス出身の作曲家であるエルネスト・ブロッホは1956年にシェーファーに《モーダル組曲》を献呈しているが、シェーファーはこの曲を1965年まで手掛けることはなかった[6]。1971年にはアーロン・コープランドがシェーファーの師キンケイドの追憶のために作曲したフルートとピアノのための二重奏曲をフィラデルフィアで初演している。翌年には、同曲を作曲者自身のピアノ伴奏で録音したが、この時、既に肺癌に侵されており、余命幾許もない状態であった。
ロンドンにて死去。
脚注[編集]
- ↑ “WOMEN'S WORK: ELAINE SHAFFER'S ARTISTRY SHINES IN CURTIS INSTITUTE ARCHIVES: A PROFESSIONAL FLUTIST AND THE SISTER OF luminary ELAINE SHAFFER JOIN FORCES TO CEMENT THE RENOWNED PERFORMER'S LEGACY AT THE SCHOOL WHERE SHE HONED HER CRAFT”. 2021年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日確認。
- ↑ “Elaine Shaffer, Flutist, 47, Dies”. New York Times. （1973年2月19日）. オリジナルの2021年3月12日時点によるアーカイブ。 2021年3月12日閲覧。
- ↑ ウィリアムズポート出身とする資料もある。(アーカイブ 2021年3月12日 - ウェイバックマシン)
- ↑ “Ex-Hiller immortalizes sister, world class musician”. Chestnut Hill Local. （2012年2月29日）. オリジナルの2021年1月16日時点によるアーカイブ。 2021年1月16日閲覧。
- ↑ “Untitled”. 2021年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年3月12日確認。
- ↑ アーカイブ 2021年3月12日 - ウェイバックマシン