エスカレーターでの歩行
ナビゲーションに移動
検索に移動
当ページではエスカレーターでの歩行(エスカレーターでのほこう)について解説する。現代日本では一般的に推奨されないが、かつては片側歩行が公に推奨されていた時代があった。
危険性とその反論[編集]
一般的に、エスカレーターでの歩行の危険性としては、以下の例が挙げられる。
- 急ぐ場合は階段を使えばいい
- ロンドンでの社会実験により、片側歩きより両側立ちのほうが早く列を解消できるというデータが出た
- これに対しては、「片側歩きに恣意的なバイアスがかかっている」という反論も見られる。
- 転倒の危険性
- エスカレーター停止の危険性
- 片手(立つ側)が不自由な場合の危険性
等が上げられる。これへの反論として、
- 急ぐ人への譲り合い精神の一つでもある(一方で、急がない人へも選択肢を与える)
- 特にラッシュ時においては両側歩きになることもある
- そもそも急ぐからエスカレーターでも歩行する(階段を歩くよりも早く突破できるため)
- 手すりにつかまりつつ歩けばよい
- 片手が使えないならエレベーターを使えばよい
- また、ワンダーフェスティバルの事故ではエスカレーターに1ステップあたり1~2名が乗り込むという前提のもと[1]設計・製作されている[2]ものに2名(3名という情報もある)乗車したために事故が発生したことから、「むしろ片側空けがむしろ負荷を減らしている」という意見もある。などがあげられる。また、別の反論として、「速度を上げればよい」というものもある。
各国におけるエスカレーターでの歩行[編集]
世界各国ではもっぱら右側立ち(左側歩行)が主流である。
イギリス[編集]
元々エスカレーターでの歩行はロンドンの地下鉄で始まった。1920年代に始まり、以後マナーとして世界各国に広まった。2016年には社会実験として両側立ちを行った。
日本[編集]
日本では、一般的に左側立ち(右側歩行)が基本とされているが、大阪圏を中心に右側立ちの地域も存在する。これは、大阪圏では大阪万博の際にマナーとして国際ルールの右側立ちが推奨されたため[3]である。1967年にアナウンスが開始されたが、右手が不自由な人への配慮から1998年に取りやめられた[3]。
上述の通り現代では一般的に推奨されていないが、慣習法として現代でも根強く残っている。
しかし、2008年にはワンダーフェスティバル2008[夏]でエスカレーターの過重乗車によって事故が発生しており、立ち止まることそのものが安全というわけではない。
また、エスカレーターでの歩行行為を減らすため、2021年10月には埼玉県が全国的にも珍しい「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」を制定した[4]。
中国[編集]
かつて北京・上海では北京五輪、上海万博に合わせ右側立ちが推奨されたが、乗客の安全を考慮して上海では片側空け提唱を取りやめた。[5]
脚注[編集]
- ↑ “よくあるお問い合わせ”. 日本エレベーター協会. 2019年8月21日確認。
- ↑ なお建築基準法施行令第129条の12第3項により踏段面の水平投影面積に対する積載荷重下限(2,600 N/m2。1平方メートルあたり 265 kgf 相当) を定めている。
- ↑ a b エスカレーター、関西なぜ「右立ち」(日本経済新聞)
- ↑ https://www.pref.saitama.lg.jp/a0310/escalator/escalator.html
- ↑ 上海地下鉄がエスカレーターの「片側空け」提唱を取りやめ、歩行禁止に(レコードチャイナ、出典元:中国新聞網)