アルバート・ブーラ
アルバート・ブーラ(英:ALBERT BOURLA,1961年10月21日 - )はアメリカ合衆国の製薬会社ファイザーの経営者(最高経営責任者(CEO))である。
来歴[編集]
1961年10月21日、ギリシャのテッサロニキで生まれた。酒店を営む両親はセファルディムの出身で、イベリア半島系ユダヤ人である。テッサロニキで起きたホロコーストを生き延びた。仲間がアウシュビッツに連行された時、父親はユダヤ人居住区を離れていた。母親は義理の兄弟がナチの銃殺隊に身代金を払って逃れた[1]。 アルバート・ブーラは1985年にアリストテレス大学の獣医学校で生物工学の博士号を取得した。獣医師資格を持っている。
ファイザー入社後[編集]
1993年にファイザーに入社した。ギリシャでテクニカル・ディレクターとして動物用医薬品の開発に携わった。以来、ヨーロッパ、中東、アフリカなど4つの国の7都市で赴任した。2001年から米国に本拠を構え、ヨーロッパ、アフリカ、およびアジア太平洋地域の部門のトップになった[2]。
ブーラを見出したのは、彼のメンターである前任CEOのイアン・リードであった。グローバル企業には世界中から多様な人材が集まり、株主は最も優れた人材に経営を任せようとする。リードは2018年、後継含みでブーラを最高執行責任者(COO)に引き上げ、2019年1月に自分の後任のCEOに指名した[3]。
日本との交渉[編集]
2021年4月17日午前8時30分(日本時間午後9時30分)から約10分間、菅総理大臣はアルバート・ブーラ・ファイザー社CEOと電話会談を行った[4]。
2021年7月23日、アルバート・ブーラCEOは菅総理大臣と東京・元赤坂の迎賓館で朝食付きで約1時間会談し、日本の新型コロナウイルスの感染状況・ワクチン接種進み具合を説明し、ワクチンの安定供給について意見交換した[5][6]。
河野太郎行政改革担当相が同席し、(ワクチンを前倒しで)「もう少しほしい」と申し入れたが、ブーラCEOは、世界的に需要が高まっており、「日本は足りている」という立場のため、前倒し要請はうまくいかなかったと報道される[7]。
参考文献[編集]
- ↑ ファイザーCEOアルバート・ブーラ氏、ホロコーストを生き延びた両親の経験を初めて語るファイザーCEOアルバート・ブーラ氏、ホロコーストを生き延びた両親の経験を初めて語る,2021年5月18日
- ↑ ALBERT BOURLANational Journal,2021年8月5日閲覧。
- ↑ 米ファイザー、リードCEO退任へ ブーラ氏が昇格日本経済新聞,2018年10月2日
- ↑ 菅総理とブーラ・ファイザー社CEOとの電話会談外務省,2021年4月17日
- ↑ 首相がファイザーCEOと迎賓館で会談読売新聞,2021年7月23日
- ↑ 菅首相がファイザーCEOと会談ロイター,2021年7月23日
- ↑ 供給不足 打開に苦慮 ファイザーへ直談判不発山陰中央新報,2021年8月1日