よみもの:氷見線LRT化に関する諸問題

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はじめに[編集]

氷見線はLRT化が検討されているが、私には色々疑問に思った点があった。今回はこれらを先行事例である富山港線(富山ライトレール)などとも比較しながら「諸問題」として取り扱うことにした。

ルートについて[編集]

まず問題となるのがルートである。富山港線は奥田中学校以南を併用軌道化して対処したが、同方向に万葉線が伸びており、併用軌道の新線を作るわけにはいかない。そこで、以下のルートが挙げられる。

万葉線米島口分岐・伏木線一部復活ルート[編集]

最も無難にルートが決められるパターン。米島口以南は広小路まで複線であり、ある程度の増発なら利く。さらには軌道を敷くにあたって伏木線の路盤を活用できるため強化工事がそれほど必要ではない。私はこれを推奨したい。

もちろんデメリットもあり、バス交通の円滑化を阻害することや、能町 - 伏木間と越中中川駅が完全に廃止される可能性があることが主な欠点となる。能町以南は貨物列車のため駅廃止ながら残ることは確実である。

万葉線米島口 - 能町口間旧立体交差分岐ルート[編集]

この場合、万葉線乗り入れ案では敷設線路、撤去線路が最低限で済むというメリットがある。

しかし、分岐線を作るにあたり、隣接する国道415号線が邪魔となることが一番の問題となる。

ホームだけ切り下げるルート[編集]

完全専用軌道とする案。この場合、撤去する線路がゼロであることや、越中中川、能町の両駅も廃駅にせずに済むというメリットがある。

しかし、これでは万葉線とバラバラな運行形態になり保守性に欠くことや、貨物列車の運行を妨害する可能性がある。

電化方式について[編集]

LRTなら電化と思う人も多いが、氷見線自体が非電化のため、非電化開業をすることも現代技術では不可能ではない。

直流600V電化パターン[編集]

最も無難なパターン。万葉線と接続した場合、既存のデ7070やMLRV1000形をそのまま使用できるというメリットがあり、車両増備もMLRV1000形で事足りる。なお、富山港線は1500V電化を600Vに降圧して対処した。

しかし、電化自体にコストがかかることや、架線への着雪時に破断した際がかなり危険になるというデメリットもある。

非電化・蓄電池式ハイブリッドトラム[編集]

伏木駅より先だけ見ても10km未満であり、万葉線と線路接続をして米島口以北をすべて非電化のままとしても蓄電池電車であっても走れない距離ではないことからここに記載する。蓄電池式のLRVは台湾の高雄などで導入事例がある。

しかし、新形式増備や既存車両の蓄電池搭載改造が必要となり、車両側にコストがかかる。

非電化・ディーゼルハイブリッドトラム[編集]

上記蓄電池式と比較した場合、非電化区間内完結の列車も設定が可能で、運用の自由度が利く。このディーゼルトラム方式はノルトハウゼン市電がハルツ狭軌鉄道に乗り入れる際や、カッセル市電の電車が非電化区間に乗り入れる際に採用された。ノルトハウゼン方式を取り入れる場合は既存の気動車も運行したままLRT乗り入れという手も不可能ではない。

しかし、エンジンの保守整備に手間がかかることが問題となる他、排ガスがとにかく避けられない。なお、運転免許に関しては電気式気動車のため乙種電気動車のみあれば可能なことや、万葉線の運転手の一部が6000形除雪ディーゼル機関車運転のために乙種内燃動車の運転免許を取得していることからそれほど問題にはならない。

城端線との兼ね合いについて[編集]

城端線もLRT化が検討されているが、ごくわずかに富山直通が残ることからLRT化は推奨されないように感じる。これくらいならあいの風とやま鉄道に移管しても問題はなさそうだが…。

もっとも、城端線はルートの策定が極めて複雑なためここでは扱わない。

他の代替案について[編集]

他にBRT化や、普通鉄道のまま新車置き換えという案が思いつくが、BRT化はやはり排ガスが避けられないことや、加越能バスに移管する場合は路線名が問題となり、普通鉄道のまま新車置き換えを行うとそれこそ赤字幅の拡大が避けられなくなる。このことからLRT化を推奨するべきではないかと私は感じている。

おわりに[編集]

赤字ローカル線でも投資して輸送力を改善すれば救われるパターンも少なくはない。今後、氷見線はどのような経緯をたどっていくのか楽しみに、今回の私の締めとさせていただこう。

結果[編集]

沿線自治体からは新型ディーゼルカーの投入を希望する声が多数。理由は初期投資費用が最小であること。また、沿線には高等学校が6校あり、他の選択肢では輸送力不足になる可能性がある。6校はいずれも統廃合の対象外であり、今後とも生徒の通学に支障が出るような選択肢は考えられない。