√2の√2乗
= 1.6325269194... は、無理数の1つ。
この数が無理数であることは、ゲルフォント=シュナイダーの定理を用いて証明することができる(同定理によると、この数は超越数であるから当然に無理数である)。なお、この定理は非常に難しく、ヒルベルトの23の問題の第7問題として証明されるまでに34年を要した。
無理数の無理数乗は必ず無理数か?[編集]
ところが、この数が無理数かどうかを証明せずとも「(無理数)(無理数) は必ず無理数か?」という問いに答えることが可能である( が無理数であるという事実は証明なしに使用する)。
- (1) が有理数だったとき
- (無理数)(無理数) が有理数になるケースが得られた。
- (2) が無理数だったとき
- であり、2は有理数なので、この場合も (無理数)(無理数) が有理数になるケースが得られた。
(1)(2)のいずれの場合でも、 (無理数)(無理数) の形で表される有理数が少なくとも1つ存在する。よって、 (無理数)(無理数) は必ず無理数というわけではない。
この証明の面白さは、前述したとおり「が有理数であっても無理数であっても、同じ結論を導くことができる」という点である。このことから、この数は数オタ一部の数学ファンから愛されている。
その他の証明法[編集]
の解が無理数であることを使った方法もある。この証明の面白さは「x の値を求めなくても結論を導くことができる」という点である。
の解 x が有理数だと仮定すると、互いに素な自然数 m, n を用いて と表せる。
の両辺を n 乗して整理すると となる。
両辺は自然数であり、右辺が n の倍数なので左辺も n の倍数となるが、これは m と n が互いに素であることに矛盾する。
ゆえに仮定は誤りであり、 の解 x は無理数とわかる。これは (無理数)(無理数) が有理数になるケースである。
よって、 (無理数)(無理数) は必ず無理数というわけではない。
「(無理数)(無理数) の形で表される有理数」は他にも などが存在する。 も も高校数学の範囲内で無理数であることが証明できるため、実はわざわざ場合分けをしなくても「(無理数)(無理数) は必ず無理数というわけではない」と答えることが可能である。