無段変速機
(CVTから転送)
ナビゲーションに移動
検索に移動
無段変速機(むだんへんそくき)とはマニュアルトランスミッションやオートマチックトランスミッションと異なり、ギアを用いずに変速比を連続的に可変できるトランスミッションである。英語のContinuously Variable TransmissionからCVTと呼ばれる。
概要[編集]
CVTは従来のトランスミッションと違い、ギアを用いた変速ではなく、プーリーにかけられたベルトによる変速を行っている。ベルトが通る箇所の幅は無段階に可変することができ、幅が狭まるとベルトは大きな円を通ることになり、逆に幅が広がると小さな円を通ることになる。大きな円は擬似的にローギアと、小さな円はドライブギアやオーバードライブギアと同じような効果があるとされている。
日本においては1987年に富士重工業の発売したスバル・ジャスティが日本初の量産車にCVTが搭載された例である[注 1]。
特徴[編集]
エンジン回転数を変えずに変速比を変えることが可能なため、(伝達ロスを考慮しなければ)燃費や効率を追求するのに優れているとされている。実際、近年の全日本ラリー選手権などで台頭しているスポーツCVTはエンジンが最高出力を発揮する回転数を維持し、変速比だけを変化させるシステムになっており、シフトチェンジのロスがなく加速し続けることが可能になっている。かつては伝達効率が悪いとされていたが、スバルのリニアトロニックでトルコンATと同等の伝達効率があるとされ、2021年にはジヤトコが伝達効率90%以上を達成したとされる「Jatco CVT-X」が発売されているなど、旧来のトランスミッションに比類するほどの性能を見せつけている。
なお、耐久性と相性の問題から、気動車・ディーゼル機関車での採用例は皆無である。
関連項目[編集]
脚注[編集]
- ↑ なお、同年にフォードからも同じCVTを搭載したフォード・フィエスタが発売されたものの、フィエスタはジャスティより3か月遅れで発売したため実質的に量産車世界初といっても差支えはないだろう