5マイルバンパー

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5マイルバンパー(ごまいるばんぱー)とは、時速5マイル(時速約8キロメートル)以下の速度であれば壁に衝突しても車体が無傷であるように設計された自動車バンパーのことである。

概要[編集]

アメリカでは5マイルバンパーの装着が義務づけられている。アメリカに輸出される日本車にも5マイルバンパーが装着されている。5マイルバンパーを装着した自動車は少々の接触事故では無傷である。その反面、5マイルバンパーを想定していないデザインの車の場合はフォルムが悲惨になることも多く、ランボルギーニ・カウンタックマセラティ・カムシンなども統一感のない「後付け」感を醸し出してしまっている。 なお、5マイルバンパーはただ取り付けるだけのバンパーと違い、衝撃吸収材とストラットなどによる衝撃吸収機構も備わっている。そして受け止めた衝撃は車体のフレームに入力されるため、取付部のフレームの劣化が進みやすいという欠点もある。そしてこの欠点は近年主流のモノコックボディにおいては致命的となりえる。そして当然、新車の装着コストや修理コストも増大する。

日本の自動車メーカーの闇[編集]

事故で自動車が損傷すると修理が必要となる。大破してしまったら車を買い換えることになる。もし、少々ぶつかっても車が無傷であったら、自動車屋は儲からないので、日本の自動車メーカーはバンパーとは言えないような薄いプラスチックのカバーを車のフロントに取り付けているのである。

5マイルバンパーが装着されていたら無傷で済むような事故でも、それが装着されていないと車の修理代が何十万円も掛かってしまう。日本の自動車メーカーがしていることは当たり屋と大差がないのである。

アメリカの闇[編集]

そもそも5マイルバンパーが成立した理由として、当時のアメリカで多発していた接触事故による保険金の支払いに対する措置であるいわれている。自動車メーカーは反対を表明していたものの、表向き「安全性の向上のため」という理由で大きく反対するわけにはいかなかったという可能性も否定できない。結果、反対意見は黙殺され、5マイルバンパーの装着が義務付けられる連邦自動車安全基準215条が発表された。自動車デザイナーとして著名なマルチェロ・ガンディーニも上記のカムシンの際は声を荒らげたという。実際、カムシンの北米モデルは異様なデザインとなってしまっており、バンパーだけでなくリアコンビネーションランプまで後付け感のあるデザインになってしまっている。