11と12
11と12(英: Eleven and twelve)では、英語など様々な言語において11と12が13以降の数の呼び方と大きく異なる理由について述べる。
概要[編集]
英語において11は「Eleven」、12は「Twelve」である。一方13は「Thirteen」、14は「Fourteen」、15は「Fifteen」…と13以降の数の後ろには「teen」が付く。この「teen」は「ten (10)」が由来となっている[1][2]。
このルールに11と12を当てはめた場合、11は「Oneteen」または「Firsteen」、12は「Twoteen」または「Seconteen」となるはずである[1][3]。しかし、英語において11は「Eleven」、12は「Twelve」となる。
歴史[編集]
「Eleven」と「Twelve」の由来[編集]
「Eleven」と「Twelve」はゲルマン語の「Ainlif」と「Twalif」が由来になっているとされる[2][4][5][6]。「ain」は1「twa」は2を表し、「lif」は「去る (to leave)」を意味する語根であると考えられている[4]。それが古英語においては「Endleofan (end-lih-fenと発音)」と「Twelf」に変化し、それが現在の「Eleven」と「Twelve」に変化したとされる[1][2][7]。
ゲルマン語の「ainlif」を英語に直すと「one left (after ten)」、つまり「10から1つ余った」という意味になる[1][4][7]。また、「Twalif」を英語に直すと「two left (after ten)」、つまり「10から2つ余った」という意味になる[1][4][7]。
しかし、「threelif」「fourlif」「fiflif」「sixlif」などは無く、それぞれ「Thirteen」「Fourteen」「Fifteen」「Sixteen」である[1]。
これは歴史上の数体系の発展に関係している。「数を表す単語」が誕生した当時、ほとんどの人は10を超える数を区別する理由があまりなかったとされる。実際、原始文化の一部の言語には、1 (one)、2 (two)および「多数 (many)」という単語しか存在しなかった[1][6]。
まず最初に10までの基本的な数の単語が形成された[1][4]。これはヒトの指の数に由来するとされる[1][4][8]。次に-lifの末尾で拡張が行われた[1]。この際「threelif」「fourlif」なども誕生した可能性がある[1]。しかし、日常生活においては11と12の方が多く使用されていた[1]。
12進数との関連[編集]
日常生活において11と12が多く使用されていた理由は世界の多くの数体系が12進数に基づいていた事に由来する[1]。10進法が現在の慣例になる前は、多くの数体系は12進法であった[3]。これは、12が多くの数で割り切れる事に由来する[3][4]。10の場合1と2、5、10の4つの整数で割り切れる。一方12は1と2、3、4、6、12の6つの整数で割り切れる[3]。
また、親指を使い他の4本の指にある3つの関節を数えることで、片手で12まで数えることができる事や1年が12か月で1日は12時間を2回繰り返す事も12進数が多く用いられた理由と考えられる[1][2][8][6]。
12進数が多く用いられていたため、「-teen」を付ける現在の数体系が生まれた後もそれらの単語は残り続けているのである[1][4]。
この考えは他の数の単語に拡張できる。10の倍数である20や30、50は本来「Twoty」「Threety」「Fivety」になるはずであるが、それぞれ「Twenty」「Thirty」「Fifty」である。これらの数は、200、300、500よりも長く日常的に使用されているためである。また「Thousand (1,000)」の元の意味は「a great multitude (大多数)」であった[1]。
英語以外の言語における11と12[編集]
(この節の出典[9])
数字 | 英語 | ドイツ語 | スウェーデン語 | フランス語 |
---|---|---|---|---|
1 | One | Eins | en / ett | un |
2 | Two | Zwei | tva | deux |
3 | Three | Drei | tre | trois |
4 | Four | Vier | fyra | quatre |
5 | Five | Fünf | fem | cinq |
6 | Six | Sechs | sex | six |
7 | Seven | Sieben | sju | sept |
8 | Eight | Acht | atta | huit |
9 | Nine | Neun | nio | neuf |
10 | Ten | Zehn | tio | dix |
11 | Eleven | Elf | elva | onze |
12 | Twelve | Zwölf | tolv | douze |
13 | Thirteen | Dreizehn | tretton | treize |
14 | Fourteen | Vierzehn | fjorton | quatorze |
15 | Fifteen | Fünfzehn | femton | quinze |
16 | Sixteen | Sechzehn | sexton | seize |
17 | Seventeen | Siebzehn | sjutton | dix-sept |
18 | Eighteen | Achzehn | arton | dix-huit |
19 | Nineteen | Neunzehn | nitton | dix-neuf |
英語の場合13以上には(-teen)が付く他、ドイツ語の場合(-zehn)、スウェーデン語の場合(-ton)が付く。一方、11と12には付かない。
その他[編集]
- 「Firsteen」と「Seconteen」は英語圏の数体系から消滅した12進数の数体系の残骸を取り除き、10進数体系をに統一することを望む人々によって、別の言葉として使用される場合がある[10][11]。
脚注[編集]
- ↑ a b c d e f g h i j k l m n o p https://www.mentalfloss.com/article/76007/why-it-eleven-twelve-instead-oneteen-twoteen
- ↑ a b c d https://nzlife.net/archives/9273
- ↑ a b c d https://www.theguardian.com/notesandqueries/query/0,5753,-18923,00...
- ↑ a b c d e f g h https://www.sporcle.com/blog/2018/03/why-do-we-say-eleven-and-twelve-instead-of-oneteen-and-twoteen/
- ↑ https://note.com/shinux217/n/nab7fb692701f
- ↑ a b c https://ja.triniradio.net/why-is-iteleven-twelveinstead-ofoneteen
- ↑ a b c https://nowiknow.com/oneteen-and-twoteen/
- ↑ a b https://nazology.net/archives/19021
- ↑ https://yattoke.com/2018/06/05/world-number/
- ↑ https://www.urbandictionary.com/define.php?term=Firsteen
- ↑ https://www.urbandictionary.com/define.php?term=Firsteen