高屋英知
高屋 英知(たかや えいち)は、日本の人工知能研究者、東北大学大学院医学系研究科画像診断学分野の助手[1]。医用画像処理や機械学習に関する研究を行っている[2][3]。
経歴[編集]
2016年に東京学芸大学教育学部を卒業[5]し、2018年に電気通信大学大学院情報理工学研究科博士前期課程を修了[5]した。その後、2018年から慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程に所属[5]し、人工知能や医療画像処理などの研究を行っている。2019年から聖マリアンナ医科大学で研究技術員として勤務[5]し、医療画像処理や深層学習などの技術を応用したプロジェクトに参加している。2021年からは東北大学病院Smart Hospital推進室AI Lab[5]で助手として働き、スマートホスピタルの実現に向けた研究開発を行っている。
- 2016年3月 東京学芸大学教育学部卒業[5]
- 2018年3月 電気通信大学大学院情報理工学研究科博士前期課程修了[5]
- 2018年4月 - 慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程所属[5][6]
- 2019年4月 - 聖マリアンナ医科大学にて研究技術員[5][7]
- 2021年4月 - 東北大学病院Smart Hospital推進室AI Lab 助手[5]
深層学習を用いた画像のセグメンテーション手法の提案[編集]
電子顕微鏡による連続切片画像のセグメンテーションに深層学習を適用することで、3D再構成法を用いた観察を行う研究者のアノテーションコストを削減する技術に注目[8]。観察対象のサンプルが希少であったり、走査条件が不安定であったりする場合には、新たに得られたサンプルに対する汎化性能を追求することが適切ではないと考え、部分的に得られたラベルからデータセット内の全てのラベルを予測するという推論的な設定を仮定し、電子顕微鏡画像から神経領域を半自動的に抽出するsequential semi-supervised segmentation (4S)という手法を提案した[9][4]。この手法は、連続画像において隣接画像が強い相関を持つという事実に着目しており、最小限の教師ラベルを用いて訓練・推論・擬似ラベリングを繰り返し、全てのスライス画像に対してセグメンテーションを行うものであった。実験では、2種類の連続切片画像を用いて、提案手法の質的・量的な有効性を示した。また、教師ラベルの数や位置が性能に及ぼす影響についても実験的に明らかにした。既存の教師あり学習と比較して、4Sの性能が優れていることが示すことに成功した[4]。
書籍[編集]
- 『サクッとわかる医療AI』 シービーアール、2022年6月11日。
- 『医療AIとディープラーニングシリーズ Pythonによる医用画像処理入門』 オーム社、2020年4月2日。
受賞・採択[編集]
- 平成29年度目黒会賞[10]
- Interdisciplinary Neurosurgery. 2022採択[11]
- Radiol Phys Technol. 2022採択[12]
- ESC Heart Failure. 2023採択[13]
脚注[編集]
- ↑ 画像診断学分野, 東北大学大学院医学系研究科. “東北大学大学院医学系研究科 画像診断学分野 | MEMBERS” (日本語). 東北大学大学院医学系研究科 画像診断学分野. 2023年9月8日確認。
- ↑ Takaya, Eichi; Takeichi, Yusuke; Ozaki, Mamiko; Kurihara, Satoshi (2021-03-01). “Sequential semi-supervised segmentation for serial electron microscopy image with small number of labels”. Journal of Neuroscience Methods 351: 109066. . .
- ↑ “AIの到達点は人に愛される生命体!カギを握る日本人の倫理観” (日本語). EMIRA. 2023年9月8日確認。
- ↑ a b c Takaya, Eichi; Takeichi, Yusuke; Ozaki, Mamiko; Kurihara, Satoshi (2021-03-01). “Sequential semi-supervised segmentation for serial electron microscopy image with small number of labels”. Journal of Neuroscience Methods 351: 109066. . .
- ↑ a b c d e f g h i j “医療人2030”. members.marianna-dhcc.jp. 2023年9月8日確認。
- ↑ “メンバー | Kurihara Lab., Keio University” (日本語). 2023年9月8日確認。
- ↑ “医療情報処理技術応用研究分野|大学院|聖マリアンナ医科大学スタッフ紹介サイト” (日本語). www.marianna-u.ac.jp. 2023年9月8日確認。
- ↑ Eichi, Takaya; Yusuke, Takeichi; Mamiko, Ozaki; Satoshi, Kurihara (2018). “神経細胞セグメンテーションにおける深層畳み込みアーキテクチャの適用方法に関する検討” (英語). 情報処理学会研究報告(Web) 2018 (ICS-190): 2018–190 .
- ↑ 英知, 髙屋; 聡, 栗原 (2023). “選択的アノテーションを用いた半教師あり連続画像セグメンテーション手法の提案”. 人工知能学会全国大会論文集 JSAI2023: 4Q2OS504–4Q2OS504. .
- ↑ “平成29年度目黒会受賞者一覧”. 2023年9月10日確認。
- ↑ Sonobe, Shinya; Ishikawa, Tetsuo; Niizuma, Kuniyasu; Kawakami, Eiryo; Ueda, Takuya; Takaya, Eichi; Makoto Miyauchi, Carlos; Iwazaki, Junya et al. (2022-09-01). “Development and validation of machine learning prediction model for post-rehabilitation functional outcome after intracerebral hemorrhage”. Interdisciplinary Neurosurgery 29: 101560. . .
- ↑ Shimokawa, Daiki; Takahashi, Kengo; Kurosawa, Daiya; Takaya, Eichi; Oba, Ken; Yagishita, Kazuyo; Fukuda, Toshinori; Tsunoda, Hiroko et al. (2023-03-01). “Deep learning model for breast cancer diagnosis based on bilateral asymmetrical detection (BilAD) in digital breast tomosynthesis images” (英語). Radiological Physics and Technology 16 (1): 20–27. . .
- ↑ Nakano, Kenji; Nochioka, Kotaro; Yasuda, Satoshi; Tamori, Daito; Shiroto, Takashi; Sato, Yudai; Takaya, Eichi; Miyata, Satoshi et al. (2023-06). “Machine learning approach to stratify complex heterogeneity of chronic heart failure: A report from the CHART‐2 study” (英語). ESC Heart Failure 10 (3): 1597–1604. . . . .
外部リンク[編集]
- Eichi Takaya (@takaya_weisheit) - Twitter