ポンド氏の逆説

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ポンド氏の逆説』は、イギリスの推理作家G・K・チェスタトン1936年に発表した短編集である。

あらすじ[編集]

温厚な公務員ポンド氏は、談話の最中にとっぴな「逆説」を繰り出すことがあった。

  • 兵士が忠実すぎるあまり、上官の命令が実行されなかった。
  • 二人の男の意見が完全に一致したため、一方が一方を殺すこととなった。
  • あまりにも背が高すぎるため、誰も気づかなかった。

いっけん意味不明な逆説だが、実は論理的な真相が隠されているのだった……。

日本での刊行[編集]

日本では東京創元社から3度刊行されている[1]。現在最も手に入りやすいのは、2017年に刊行された南條竹則・訳のものであろう。

この2017年版の表紙では、千海博美がデザインした「灰色の馬に乗って疾走する騎士と、同じ形の2つの影」が描かれている。もちろん、巻頭第一の作品『黙示録の三人の騎者』をイメージしたものであろうが、ひょっとするとサム・ロイドの有名なパズル『トリック・ドンキー』を踏まえたものかもしれない。わずかな入れ替わりで「疾走する馬」と「力尽きる馬」が入れ替わるパズルは、本小説の構成と相似形である。

収録作品[編集]

2017年版のタイトルの後に、(カッコ)で1977年旧訳版のタイトルを併記する。

  • 黙示録の三人の騎者(三人の騎士)
  • ガヘガン大尉の罪(ガーガン大尉の犯罪)
  • 博士の意見が一致する時(博士の意見が一致すると……)
  • ポンドのパンタルーン(道化師ポンド)
  • 名前を出せぬ男(名指せない名前)
  • 恋人たちの指輪(愛の指輪)
  • 恐ろしき色男(恐るべきロメオ)
  • 高すぎる話(目立たないのっぽ)

脚注[編集]