鉄道車両の床下機器
鉄道車両の床下機器(てつどうしゃりょうのゆかしたきき)は、鉄道車両の運行に必要な搭載機器のうち、車両床下に配置されるものである。
走行機器関係[編集]
台車[編集]
詳細は「鉄道車両の台車」を参照
鉄道車両の走行機器類は台車に搭載される。台車・車輪を鉄道車両本体に直結させてしまうと、振動がそのまま伝達されてしまい乗り心地が悪化するため、様々な方法が考案されてきた。
台車を鉄道車両本体に支持する仕様(車体支持方式)については、揺れ枕式・インダイレクトマウント式・ボルスタレス式などがある。
車輪を台車枠に支持する仕様(軸箱支持装置)については、軸箱守式(ペデスタル式)・円筒案内式・板ばね式などがある。
第三軌条方式では集電靴が設けられる。
台車の例(近鉄12400系電車)
主電動機と駆動装置[編集]
主電動機は、鉄道車両が走行のために必要な動力を生み出す電動機(モーター)である。かつては主電動機は直流モーターが基本であり、直流直巻電動機・直流分巻電動機などの種類がある。しかし交流モーターの方がメンテナンス性で優れているので、現在では直流電化の区間においても、交流誘導電動機を搭載している鉄道車両が多い。電源はVVVFインバーターで直流から交流に変換している。
主電動機装置からの動力を車軸に伝えるための仕様(駆動装置)には、吊り掛け駆動方式やカルダン駆動方式がある。カルダン駆動方式にもいくつかの種類があり、直角カルダン駆動方式・中空軸平行カルダン駆動方式・WN駆動方式などがある。
制御機器関係[編集]
詳細は「電気車の速度制御」を参照
鉄道車両の速度を制御するための機構である。抵抗制御・界磁チョッパ制御・可変電圧可変周波数制御などがある。
ブレーキ機器関係[編集]
詳細は「鉄道のブレーキ」を参照
鉄道車両の速度を制御するための機構である。ブレーキの方式としては電磁直通ブレーキ・電気指令式ブレーキなどがある。
補助電源装置関係[編集]
補助電源装置関係は、架線から取得した高圧電流を低圧に変換し、クーラー機器や乗客用AC100電源などに供給するための装置である。
その他[編集]
その他電気回路には、断路器(MS・BS)、接地スイッチ(GS)、高圧母線ヒューズ(BF)などがある。ブレーキ機構や扉の開閉に使用する圧縮空気を供給するための機器類もあり、圧縮空気を生み出す空気圧縮機のほか、圧縮空気を始めに溜める元空気ダメ(MR)、MRからの圧縮空気を各車両で受ける供給空気ダメ(SR)、ブレーキ機構とは関係のない機構で使用する圧縮空気を溜めておく制御空気ダメ(CP)などがある。
トイレのある車両には、床下に汚物処理装置が設けられる。
連結器関係[編集]
詳細は「連結器」を参照