鉄道と道路が並走する場合の踏切

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本項では、鉄道と道路が並走する場合の踏切について述べる。

鉄道線路の直近を並行して道路が走り、丁字路または十字路によって線路と交差する踏切を設ける場合、事故を誘発する問題が発生する場合がある。

最も簡単なものは、特別な細工をせず、単純に踏切を造るだけである。問題は、線路に並行する道路[1]の交通量が多い場合に起きる。車が踏切を横断中に、道路側に車列が来てしまった場合、横断車は親切な人が譲ってくれるか、車列が途切れるまで踏切を出ることができない。ここに列車が接近すると、車の側面にマトモにぶつかることとなる。

解決策のひとつに、歩道スペースを活用するなどして、乗用車一台分程度の合流待ちスペースを、踏切を渡り終えた部分に造ればいい。多少の空間が要るが、道路と線路の間にちょっとした植え込みなどがあるならば、設置は容易である。(図1)

しかし、1台ごとに合流待ちをしていたのでは効率が悪い場合、合流待ちスペースを延長し、合流車線として、道路の車線を増やすように設ける方法がある。こうすれば、一度に数台が合流でき、交通容量の向上が見込める。(図2)総武本線「松葉作踏切」(物井駅から佐倉駅方面に1つ目の踏切)などに採用例がある。ただし、この場合右折車に対応できないため、左折のみ可とする場合もある。

また、踏切待ちの車が道路の交通を妨げる場合、踏切待ち車線を同時に設けることがある。これにより、道路の交通と、踏切横断車の往来を同時に確保することができる。(図3)アルピコ交通上高地線「梓川高校前踏切」(下島駅から波田駅方面に1つ目の踏切)などに採用例がある。左折のみ可とする場合もある。また、道路両方向からの横断車に対応する場合、より広いスペースを必要とすることとなる。

以上のような小細工が通用しないような交差点であれば、踏切に連動した信号制御を行うか、思い切って立体交差を検討するしかない。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 以下、断りなく道路と言った場合は、この線路に並行する道路を言う