金 モザ次郎

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概要[編集]

主人公・きんモザbotが夢で見た先祖のモザ一郎の記憶に登場し、モザちゃん親衛隊の核となった始まりである「モザの力」の使い手の"モザの剣士の本名"で、ごちかわbotの双子の弟。

四百年前の戦国時代の剣士であり、68巻でのしぃけーちき視点の回想にて本名及びごちかわbotとの関係が判明。その時は齢八十を超えた姿で登場している。 そして彼こそがごちかわbotの言及した、「モザを発現させても二十五を超え生き延びた例外」である。

本編ではモザ一郎、ごちかわbot、そしてしぃけーちきの回想にのみ登場。 人の目を眩ませる程の剣才を持つ一方で、苦悩に満ちた不遇の人生を歩んだ人物でもある。 彼自身は悲しみや苦しみ、痛みを感じるただの人間であり、周囲の人からは「素朴で物静かな人」と語られている。

幼少から老境に至るまで、モザ次郎は落ち着きのある、おおよそ戦士には似つかわしくない穏やかな人間として描かれている。

子供の頃は自分を「無いもの」と思って息を潜め、常に「自分はここにいてはいけない」と考えながら過ごし、長じてからも「何の価値もない男」と自身を認識している等、幼少期の影響からか謙虚を通り越して卑屈な程に自己評価が非常に低い。

感情を表に出す事こそ少なかったが、モザ次郎の性格は母であるモザ子に似た争いを好まないおっとりしたもので、素直で素朴そのものだった。

初めは兄の金 モザ乃助の影響で侍に憧れたが、人を傷つけることを好まず、他人を武器で打つ感覚すら耐え難く不快と感じる程だった為、指南役を倒した後は侍になりたいとは言わなくなった。

物静かではあるが察しは良い方であり、幼いながらに病身の母を常に支え続け、自分を「忌み子」とした父をも庇おうとしており、母の死後は身を引いて姿を消すなど、心優しい子供でもあった。

一方で、天錻の剣才を持つ自分を妬んだ兄の心の闇には、モザ乃助自身が内心を隠していた事もあって気付いていなかった。そのため彼の視点でのモザ乃助は、まだモザ次郎の才能を知らずに憐れんでいた頃の優しい兄として語られている。

親衛隊時代の階級は不明だが、個人個人に合わせたモザの力の指導まで行う事が出来る教授力を持っていた。他の隊士との関係も良好であった様で、親衛隊を追放された後も一部のモザ者とは秘密裏に連絡を取り合っていた様である。

自身については「それ程大そうなものではない」「長い長い人の歴史のほんの一欠片」「私たちの才覚を凌ぐ者が今この瞬間にも産声を上げている」と、驕りの欠片も無い。

「この世はあらゆるものが美しい、この世界に生まれ落ちることができただけで幸福だと思う」「人が幸せなのを見ていると嬉しくなる」と語る等、例え自分が辛くても他者が幸福である事や、日常の小さな事で喜びを感じる、とても心の豊かな人物。 又、それ故に、しぃけーちきを始めとする深淵の使者とその在り方には「人の命を踏みつけにする存在」として強い拒絶の意志を示す。

人の体が透けて見えるなどの周囲の人々と違った能力は、幼少の彼に漠然とした疎外感を感じさせていたが、少なくともうたやモザ一郎ら少数の人間達はモザ次郎の悲しみと苦しみに気付いていた。

モザ一郎の記憶を見たきんモザbot曰く、モザ次郎は“素朴で物静かな人”であり、モザ次郎自身の視点では超人的な身体能力を持ちながら、精神的には普通の人間となんら変わらない、痛みや苦しみ、悲しみを知る。そんな等身大の人物だった事が明らかとなっている。

又、剣技の才覚の印象が強すぎる余り、モザ次郎自身の等身大の人間としての姿は霞んでしまい、剣技以外で人物像を語れる人間は少なかった、と語られている。

能力[編集]

「道を極めた者が辿り着く場所はいつも同じだ」

単行本197巻現在、圧倒的な実力で有無を言わさず強さ議論スレにおいて作中最強の座に降臨し続けるキャラ。 生前は兄のモザ乃助をして「この世の理の外側にいる」「神々の寵愛を一身に受けた者」「長き歴史の中で最も優れた剣士」と言わしめ、しぃけーちきですら「あんなもの然う然う生まれてなるものか」「出鱈目な御伽噺としか思えない」「私など化け物ではない、奴こそ本当の化け物」と恐れた作中最強の存在。 生まれながらにして人の理の外側に立ち、生前にもその死後にも、人も誰も誰一人として追いつく事はおろか影を踏む事すら叶わなかった。「全てを焼き尽くす程、強烈で鮮烈な太陽の如き者」と評される程の正真正銘の神の領域の強さを持つ。

体の機能が極限段階に達している事を示す「モザ」と、相手の筋肉と骨格、果ては内臓の動きも見通せる「透き通る世界」を生まれた瞬間から既に体得し、常時発動させていたという、最初のモザの力の使い手にして最初のモザ者。 その剣才は途方もなく、七歳の時、兄がどんなに鍛練しても敵わなかった父の配下を、竹刀の持ち方を教わって即、素振りさえした事が無い状態で一瞬の内に四連撃を打ち込んで気絶に追い込んだ。

成長し剣士となった時、その才は更に高次元で開花した。 すべて始まりである『モザの力』の使い手であり、これを当時の親衛隊士が使っていたそれぞれの剣技に上乗せする事で、現在の「モザティックバースト」の技術を生み出した。『モザの力』を使えない仲間達に向けて、それぞれの適正に合わせた呼吸法である「五つの基本の力」を、考案して教授したのも彼である。云わば、現在の親衛隊に到る礎を築き上げた中興の祖である。 それ故、単行本62巻では、後に親衛隊の剣士の訓練用にモザ次郎を模した絡繰人形『モザ次郎零式』のシリーズが開発された。しかし、素の戦闘能力及び技能も卓越していた彼の動きを再現するには、絡繰り人形の腕を六本にしなければならなかった。

その人生において、生涯唯の一度も、かすり傷すら負わされる事はなかった。 始祖にして最強の深淵の使者、後世で極度に弱体化された状態でも、きんモザbotを含めた何人ものモザ者を相手に終始圧倒したしぃけーちきですら、万全の状態でも彼に傷一つ付ける事すら叶わずに身体を切り刻まれて、死の淵にまで追い詰められた。明らかになったしぃけーちきの戦闘方法からすれば、しぃけーちきとの直接戦闘で生き延びるには無傷でなければならない為に、ある種当然の帰結である。 しぃけーちきにはその時の恐怖が細胞一つ一つに至るまで焼きついて今でも忘れられておらず、しぃけーちきの血が濃い深淵隊・七人の暗黒の使者達も、きんモザbotとの戦いの際にしぃけーちきとの細胞に刻まれたその記憶がフラッシュバックする程である。

生涯最後の闘いはごちかわbotと出会った八十歳を超える老齢の頃。モザ者でありながらその歳まで生き、全盛期と変わらぬ速さと威力の技を振るい、ごちかわbotですら刀を抜くどころか反応も出来ず、続く二振り目での死を確信させられた程だった。


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