西武新宿線第2事件
西武新宿線第2事件 | |
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西武新宿線 | |
日付 | 2003年2月26日 |
概要 | 痴漢冤罪 |
原因 | 被害者による犯人の取り違い |
他の被害者 | 冤罪で逮捕・起訴された男性 |
損害 | 冤罪をかけられた男性の人生が狂う |
犯人 | 不明 |
容疑 | 迷惑防止条例違反(後に誤認と判明) |
対処 | 逮捕・起訴(後に誤認と判明) |
謝罪 | なし |
賠償 | なし |
刑事訴訟 | 判決:無罪判決(求刑懲役4ヶ月) |
西武新宿線第2事件(せいぶしんじゅくせんだい2じけん)は、2003年に起きた痴漢冤罪事件。西武新宿線で起きた痴漢事件で、被告の無罪判決が確定した2件目の痴漢冤罪事件である。
概要[編集]
2003年2月26日の朝に西武鉄道新宿線の鷺ノ宮駅から高田馬場駅の間で中学2年生の女子が痴漢にあう事件があった。この事件で、同じ急行電車に乗車していた被害者の前に乗車していた男性Aが逮捕された。
男性は「コートがドアに挟まり、引っ張りだそうとしただけ」と一貫して無罪を主張。
物的証拠もなく、証拠は被害者の「スカートをめくられ、お尻を触られた」という供述のみだったものの、検察側は迷惑防止条例違反で起訴。弁護側は被告人の右側にいた男が真犯人だとするアナザーストーリーを展開。
さらに、事件直後に申し出ていたものの、駅員が身元確認などをせずに立ち去った目撃者が、この手の事件としては珍しく起訴後に名乗り出て「痴漢はやっていないと思う」と証言した。
さらに弁護側は、痴漢現場の再現ビデオを提出して証拠として認めさせた。痴漢えん罪ネットワークなどの団体からの支援もあった。
一方、検察側からは女性の供述以外の証拠はほとんどなく、裁判では女性の供述の信用性が争点になった。
2004年5月10日、1審東京地方裁判所は無罪判決(求刑懲役4か月)を下した。
藤井俊郎裁判長(他内藤晋太郎、長島銀哉)は判決で被害者の証言の信用性について一貫していて臀部を触られたとの供述は信用できるとしたうえで、被告人がコートを引っ張るなどの行為をしていたために男性を犯人だと予断した可能性を指摘して被害者の供述では犯人とはできないとした。
一方、被告人は一貫して痴漢について捜査段階から否認していて供述の信用性を否定できず、さらに他の証拠も合わせれば被告人の右側にいた男が真犯人である可能性があるとした。
検察側はこの判決に対して控訴を断念して無罪判決が確定した。
参考文献[編集]
- 『痴漢冤罪の弁護』 秋山賢三ほか編、現代人文社〈GENJIN刑事弁護シリーズ2〉、2004年。ISBN 978-4877982331。
外部リンク[編集]
- 西武新宿線第2事件(痴漢えん罪ネットワーク)