自律神経免疫療法

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自律神経免疫療法とは、慢性疾患に対する代替療法についての仮説新潟大学医学部・医動物学講座教授である安保徹と、臨床医である福田稔が提唱した。

概要[編集]

安保徹が行なってきた基礎研究から導かれた仮説である。治療効果は臨床的に証明されておらず、一般向けの書籍で患者の体験談が掲載されているだけであり、論文としての症例報告はない。内科医の小内亨が「先入観を排除するため」に「著者の仮説は青、基礎研究は緑、症例報告程度の情報はオレンジ、臨床研究で証明されている部分(エビデンス)は赤」に色分けしたところ「その本の大部分が青1色に染まってきてしまった」と言う[1]

免疫療法は主に免疫細胞に外部からアクションをかけて免疫力を高めるという考え方であるが、「自律神経免疫療法」では生活習慣などを改めることで自己が持つ元々の免疫力(自然治癒力)を引き出し、腫瘍も含めて攻撃するという考え方である。

交感神経好中球を、副交感神経リンパ球に作用しているという仮説をバックグラウンドに、ストレスをなくし笑いのある生活をしたりすることで副交感神経が優位な状態を保つようにすれば、慢性疾患は治る可能性が高く、癌も消滅する可能性が高くなる、と述べている。

肯定派のユーザーによる投稿[編集]

安保徹による免疫の基礎理論はあながち間違いではないと考えている科学者は多い。精神的なストレスが多いとの発生率が高くなり、ストレスが少ないと発生率が低くなることは知られている。また近年では、精神的な状態(交感神経の状態など)とナチュラルキラー細胞の機能との関連なども研究されている。いずれにせよ、心の持ち方(自律神経の状態)が疾病全般の治癒率に影響することは、なにも最近言い出されたことではなくて、古今東西、知られていることであり、その方向性は一致している。

この治療法はいくつかの本に書かれているが、代表的なものとしては『未来免疫学』(インターメディカル発行)が挙げられる。安保徹の著書には、実際に行った様子などが書かれている。[2]

体験者からのタレコミ投稿[編集]

治療に当たっては、採血を行い、白血球中におけるリンパ球の比率を指標に用いる。リンパ球の比率が少ない場合、交感神経側に偏っているとし、逆に、リンパ球の比率が過大な場合、副交感神経側に偏っていると判断する。

具体的な介入方法は、自律神経免疫療法の発展に沿って変化してきた。医師が行う方法としては、手と足の指の爪の付け根付近にある経穴である「井穴」を注射針で1mmほど刺し、血液を一滴ほど絞り出す一種の瀉血療法である「刺絡療法」、同じく「井穴」を医療用レーザーで刺激することが行われている。頭部や頸部、背中などに分布する経穴を上記二つの方法で刺激する場合もある。また、患者自身が行う方法としては、爪の付け根を揉む「爪揉み」や、その他の方法で「井穴」付近を刺激する方法がある。

脚注[編集]

  1. 一つの仮説だけを信奉することは危険:MedWave Back Number
  2. 著書では断片的なデータは紹介されているものの、網羅的な臨床データは示されていない(もっとも一般向けの本というものは通常の治療法を紹介しているものでも大抵は臨床データは掲載していないものである)。医師の中には、このような治療法に否定的な発言をする者もいるが、日本の医師には代替医療自然治癒力と聞くと、それだけで頭ごなしに否定的な発言をする者が多数おり、(調査もしないまま)有効な治療法についてすら否定的な発言をすることもあるので、そういった発言は必ずしも信憑性があるとは言い難い。(職業上の利権が絡み、感情的なバイアスがかかっている可能性があるのである。古い教育を受けたきりの年配の医師の中にはナチュラルキラー細胞のことも知らずに無責任な発言をする者もいる)。結局治療の 有効/無効 の証明・判定をできるのは、人間の勝手な発言の積み重ねではなくて、客観的で大規模な試験だけであるので、この治療法についての第三者による適切な試験が望まれている。