胃カメラ

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胃カメラ(いかめら)は細いカメラを食堂経由で体内に入れ、のど・食道・胃・十二指腸を直接観察する検査である。正式名は「上部消化管内視鏡検査」である。

概要[編集]

胃カメラのアイデアを最初に発表 したのは1889年にEinhornが発表したものであった。しかし、当時の技術では実現が不可能であった[1]。 1898年、ドイツのランゲ(Lange)とメルチング(Meltzing)が初めて胃カメラの開発に取り組んだが失敗した。1949年(昭和24年)、東大分院の医師宇治達郎からオリンパスに胃カメラの開発依頼があった。極小レンズの開発、光源の検討、軟性管の材質探し、最適フィルムの入手や水漏れ対策などの課題があった。1950年の試作1号機は、本体軟性管の先端に撮影レンズをつけ、白黒フィルム幅6ミリ、手許の操作で豆ランプをフラッシュさせて撮影し、ワイヤーで引っぱりフィルムを巻き上げる方式であったが、実用レベルには遠かった。1960年代に新素材「グラスファイバー」を使い、1964年の「ファイバースコープ付胃カメラ」により写真が撮れるようになったことである。1964年の胃カメラとファイバースコープを一体化させたファイバースコープ付胃カメラ「GTF」により、医師がリアルタイムで患部を見れるようになった。1975年(昭和50年)頃には、胃カメラの時代から「ファイバースコープ」の時代となった。診断だけでなく、内視鏡を使った「治療」も可能となった。

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  1. 丹羽寛文(2008)「胃カメラの発展」日本消化器内視鏡学会雑誌 50, pp.3416-3422