終盤の鬼手

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終盤の鬼手』(しゅうばんのきしゅ)とは、将棋棋士の故・熊谷達人九段が著した、将棋の問題集である。

概要[編集]

1977年日本将棋連盟より発刊された。2011年に入って、同著の「将棋・次の一手」の一部と併せて、復刻版としても発刊された。この復刻版のタイトル自体も「終盤の鬼手」である。

原本(復刻でないほう)は、「終盤の鬼手」「詰むや詰まざるや」「中盤戦・一手千金」の全三章からなる。表題にもある「終盤の鬼手」がやはりメインテーマとなっており、問題数も最も多い。タイトルからも窺える通り、終盤の局面で「まさか!」という手によって勝利する問題が多数収められている。

プロ棋士の著した次の一手問題集というのは、時として、手が渋すぎるあまり、解答を見ても「はぁ・・そうですか・・・」としか言えないものがある。無論棋力を高めるうえでは、そのような問題集こそ参考になるわけだが、その点この「終盤の鬼手」は、中級者以上なら誰でも解答を見たときに「あっ、そうか!」と叫ばされてしまうような感じがあり、読み物としての面白さが非常に高いといえる。パズル性の強いのが特徴であるが、それでありながら実際に終盤に有りそうな局面構成になっているのは素晴らしいとしか言いようがない。実際、プロやアマの実戦譜から取材した問題も多いとされる。

二つ目の章「詰むや詰まざるや」は、次の一手ではなく(実戦形式の)詰将棋となっている。タイトルは江戸時代に発刊された詰棋集『将棋無双』の異称から取っている。

復刻版には「将棋・次の一手」の中から、「次の一手」と「自戦譜」の二章が収められている。

書籍情報[編集]

関連項目[編集]