竹
竹(たけ)とは、広義にはイネ科タケ亜科の多年生植物の総称であるが、日本固有種としての「竹」が広く知られている。
概要[編集]
バンブー(あるいはマングー)が株立ちするのに対し、日本の竹は孤立して生える。「虎に竹」の図柄は一般的だが、バンブーではなく「竹」であるのが様式である。
語源は国語学者の大野晋によれば「たける(長ける・猛る)」であり、「勢いが盛んになり、高い」であるという。筍が食品として利用されるが、アメリカでは食す習慣がなく、外国船に江川太郎左衛門が贈ったところ喜ばれなかったという。
代表的な竹の色は、青竹色であり、竹の色のバリエーションには、若竹色、老竹色がある。若竹色は、青竹よりやや明るく、その年に生え出てきて、新鮮で萌え出ているような竹の色。老竹色は、長い年月を経て年老いた竹の色で、表面がしだいにくすみ、灰色がかる。
人間生活との関わり・利用[編集]
竹材として利用されることもある。
「和竿」と呼ばれる竹製の接手の釣り竿では、手元は布袋竹、中は矢竹、先端は鯨の髭でなければ布袋竹あたりだろう。宣べ竿では全体が矢竹だが、矢に使うだけあって釣り味が固いという。反面、敏感であって釣り味がダイレクトに手元に伝わるという長所もあるが。
茶筅・柄杓・茶匙など、茶道では広く用いられる。
また、孟宗竹は棹径がニ十センチを超えるものもあり、まんまワインクーラーとして用いられることもある。
炭材としても用いられるが、火力が強い反面、火保ちが悪いため、茶道ではあまり用いられない。
バンブー[編集]
ウドと同じく、中空であり、いち早く背丈を伸ばして日照を占有するという戦略を取っている植物である。そんなわけで風が吹くとユラユラ揺れ、株立ちであるため株本に落ち葉が溜まり、ときに摩擦熱によって発火する。「爆竹」という言葉があるように、「バン!」と音がして「ブー」という水蒸気が逃げるというので擬音として「バンブー」とよばれたとする説がある。
脚注[編集]
関連作品[編集]
- 矢口高雄『竿師百竿』