異世界でトレーナーをしています。

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異世界でトレーナーをしています。』(いせかいでトレーナーをしています。、I work as a trainer In Another World)は、わかつきひかるによる日本ライトノベル作品。イラストは植田亮

概要[編集]

2016年2月よりHJ文庫から刊行されたライトノベル作品。「爽快系スキル無双ファンタジー」としている。

ストーリー[編集]

秋津翔太は、フィットネスクラブで主に老人相手にボディメイクトレーナーをしている。ある日、老人を助けようとしたときに階段から落ちて意識を失う。気づいたときには、異世界で倒れており、宿屋を切り盛りしている姉妹のアンジェリカ・メイフィールドカレン・メイフィールドにお世話になる。そこで、トレーナーとしてアンジェリカのランニングやカレンの痩せるための指導をすることになる。

登場人物[編集]

秋津 翔太(あきつ しょうた) / ショウタ
本作の主人公。体育の専門学校を卒業してフィットネスクラブに就職して、パーソナルトレーナーの仕事をする。地方都市のフィットネスクラブでお年寄り相手のボディメイクトレーナーの仕事をして、それなりに楽しんではいたが、何か足りないと感じていた。ある日、階段から落ちそうになった老人を助けたときに自分がバランスを崩して階段から落下して意識を失う。気づいたときには異世界で倒れており、倒れているところを見つけたアンジェリカとカレンにメイフィールド亭に連れていかれる。アヴィニヨン王国で目を覚ました時には左腕が骨折していて、打ち身と足首の怪我などもあり、ベラミー先生の治療を受ける。
全治75日と診断された怪我が治るまでの間、メイフィールド亭でお世話になる。そこで、アンジェリカのランニングの指導とカレンが痩せるための指導をすることにした。長距離選手のトレーナーという自分がしたかったことができて心躍る日々を送る。日本からやってきたと思われる自転車も見つけて、乗ったところで興味を持ったマリーナに話しかけられて、知り合いとなった。
奉納走りのころにはカレンは見事に痩せており、アンジェリカも奉納走りで優勝を果たす。正々堂々とレースに勝ったアンジェリカの姿に感動するのだった。そして、アンジェリカに言われた異世界トレーナーを名乗るのだった。
レイチェルの依頼で、レイチェルが立王子の札の儀式で男性のように振舞えるように指導する。
現役時代は、マラソン選手で走るのが大好きだった。だが、ランナー膝(腸脛靱帯炎)を発症して、試合でゴールできずに棄権した。そこで優勝した選手にドーピング疑惑が持ち上がり、その選手が緊張をほぐすために胃腸薬を飲んでいたと知る。それで、トレーナーとして選手をサポートする道を選ぶことにした。
アンジェリカ・メイフィールド
金髪で青い瞳を持つボーイッシュな少女。15歳。パンを焼くのがうまい。
ラリュヌ神殿の奉納走りで優勝を目指して練習をする。その姿を見て、翔太がランニングの指導をさせてほしいと申し出る。簡単なスポーツ科学を見せられて感心して、翔太の指導を受けることにした。ランニングフォームの矯正もすぐにできるなど、身体能力は高く、翔太の教えをすぐに吸収する。そして、奉納走りで見事に優勝を果たすことができた。
自分が小柄で胸も大きくなく、女っぽくないと気にしている。翔太がマリーナと仲良くしているのを見て嫉妬したりもしている。
マリーナ・ラリュヌ
ラリュヌ神殿に仕える巫女。髪は霊性の象徴として長い金髪は切ることができない。ダンスが大好きで、体力をつけるためによく走っている。
今まで見たことがない自転車を乗りこなしている翔太を見て、興味が湧いて話しかける。容姿や髪ではなく、自分の足を綺麗だと褒めた翔太にさらに興味を引かれた。供えられたシューズを履いているのをみて、翔太が他にもシューズはないかと聞いたことで窓から靴を投げて渡した。
ダンスの腕に自信を持っている。本祭で奉納舞(ほうのうまい)を踊ることになるが、普段は平気なのにダンスの時にはくしゃみが出てしまうと翔太に相談する。原因が分からずに困っていたが、香を焚くときに出る煙が原因の花粉症だと判明する。それで、アンジェリカにフェイスガードを作ってもらってその下にマスクをつけて踊ることにする。そして、顔を隠してダンスを踊り、セクシーで神秘的なダンスを披露した。
レイチェル・オパール・アヴィニヨン
先代の司祭が教養を狭く考える人だったため、双子は不吉だとして家臣に預けられて存在を隠されて育てられた。亡くなったアンドリューに代わって国民の前に立つことになるも、大陸では女王は国王になれないという不文律があるため、男装してアンドリューとして国民の前に立っている。指導者として国と民を守るために、自らを犠牲にすることもいとわない。
翔太を城に招く。18歳の誕生日に行う立王子の札の儀式を男装がばれずに乗り切るために男としての立ち振舞を教えて欲しいと翔太に依頼する。
カレン・メイフィールド
メイフィールド亭の女主人。アンジェリカの姉。
王宮でメイドとして働いていて、両親が事故で亡くなってからメイフィールド亭に戻ってきて働くようになる。そのころから体型がふっくらするようになったが、原因が分からなかった。翔太が環境が変わったことによるストレス太りと運動不足が原因ではないかとして、トレーナーとしてカレンが痩せられるように手伝おうと言われて、指導を受けることとなる。翔太の指導で、どんどんと痩せていって奉納走りでは身体のラインが出るドレスを着た。
ジャコブと婚約していたが、両親同士が不仲となってしまったことで一旦流れる。さらに両親がタイミング悪く、事故死してしまったことで結婚は破談となってしまう。奉納走りで完走を果たしたジャコブに改めてプロポーズされて受け入れた。
ジャコブ
父親は地主、母親は下級貴族という裕福な家の跡取り息子。カレンとは恋人同士で結婚する予定だった。だが、母親が顔合わせの食事会で『王宮のメイドなんて貞操観念が低い』などと言ったことで、カレンの両親は激怒して結婚に反対する。そのすぐあとにカレンの両親は事故死してしまう。ジャコブの母親も後悔して病気になり、ベラミー先生の診察を受けている。
カレンにもう一度結婚の申し込みをしようとしたときに、メイフィールド亭に借金取りがいたため、代わりに支払うも逆にギクシャクしてしまう。奉納走りで完走したらもう一度考え直してほしいと手紙を書いて、最下位ながらも棄権せずにゴールまで走る。そして、見事に完走してプロポーズをして受け入れられた。
王妃
アヴィニヨン王国の女王。陛下は亡くなり、アンドリューも亡くなったことで気鬱の病となる。ある日、呼び寄せた翔太とボール遊びをして久々に笑った。そして、誰かに必要とされていると気づいて、国王代行として立王子の札の儀式に出る。
ベラミー先生
翔太がアヴィニヨン王国で目を覚ました時に怪我を診察した医者。腕は確か。
セバスチャン
レイチェルの補佐をしている優秀な文官。
ドロシー
王妃に仕えている上級メイド。
アンドリュー・サファイア・アヴィニヨン
レイチェルの双子の弟。次期国王として帝王教育を受けていきたが、半年ほど前に森で鹿狩りをしているときに亡くなった。
ジャンンフランコ・ソレイユ
ソレイユ王国の第一王子。

用語一覧[編集]

マレビト
アヴィニヨン王国に時折やってくる異世界人。異世界の知識などでアヴィニヨン王国の役に立つものがおり、水道や水車の粉ひきなどができるようになった。異世界にやってきたショックで鬱になって、暴れたりぼうっとしてたままの人も多い。
アヴィニヨン王国
翔太が意識を取り戻した時にいた異世界の王国。建国されてから153年。王族は紫の瞳をしている。
メイフィールド亭
アンジェリカとカレンが切り盛りしている宿屋。
魔法治療師(まほうちりょうし)
金銀宝石を触媒にして、治ろうとする力を高めたりすることができる。
ラニュス神
月の神様。
ソレイユ国
アヴィニヨン王国の隣国であるレグリア、ルギエリ、デコダの三ヶ国を支配においた国。戦争で荒廃してしまうとマレビトがこなくなってしまうのではないかと思って、アヴィニヨン王国には戦争を仕掛けずに養子を差し出して次期国王に育ててくれと要求する。

単行本[編集]

HJ文庫ホビージャパン)より刊行。

タイトル 初版発行日 ISBN その他 サブタイトル
異世界でトレーナーをしています。 2016年2月1日(2016年2月1日発売) ISBN 978-4-7986-1167-9
  • プロローグ 現代でトレーナーをしていました。
  • トレーニングその1 美人姉妹とマラソン大会
  • トレーニングその2 踊る姫巫女の悩み
  • トレーニングその3 王子をめざせ!
  • エピローグ 異世界でトレーナーをしています。
  • あとがき

外部リンク[編集]