男狩り

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男狩り」(おとこがり)は『薔薇族1983年3月号に掲載された山川純一の一話完結の漫画。山川作品では比較的初期の作品である。

あらすじ[編集]

警察官日高雄介は、男性ばかりを狙った連続強姦殺人事件の犯人とみられるモヒカン刈りの男を追っていた。一方、同居する兄の日高良司は勤め先の会社で事実上の左遷を命ぜられる。泥酔して帰宅した良司は誰もいない部屋で管を巻くが、「今日が最後になるかな」とつぶやくとかつらを外し、レザーの衣装に着替えて外出する。実は良司こそが雄介の追っていたモヒカン男だったのだ。

良司は深夜の公園で強姦相手を見つけるが、それはモヒカン男を逮捕するためにおとり捜査をしていた雄介だった。相手が弟と気付いた良司は雄介にみずから正体を明かす。愕然とする雄介に、良司はなぜこのような行為に至ったのかを告白する。劣等感を抱え、巨大な男性器をもてあましていた良司の苦悩が明かされる。

開き直った良司は雄介にセックスを要求し、「弟を殺しちまうわけにはいかないから」と言って尻を差し出す。しかし絶頂に達した良司に放たれたのは、雄介の拳銃の弾だった。肛門から血を噴いて崩れ落ちる良司を見下ろし、雄介は一人涙を流すのであった。

登場人物[編集]

日高良司(ひだか りょうじ)/ モヒカン男
東京都に住む30代の平凡なサラリーマン。後者は、深夜の街中に出没し、夜な夜な男性を強姦かつ肛門裂傷で死に追いやる殺人犯としての名前。
会社では無能、世間からは除け者扱いされていると感じており、自分に自信を付ける為にボディービルディングを始めたが、同時に今まで意識していなかった同性愛の欲求に目覚めることとなった。
ハッテン場に通ったものの、23cmという男性器の大きさが災いして誰にも受け入れられず、再び劣等感に苛まれた良司は、モヒカン男に変装し一連の事件を起こすようになった。
7件目の事件を起こした翌日、会社で左遷を言い渡され、今夜最後の犯行を行うと決意して外出。公園でカップルを見つけ、そのカップルの男性を標的に決めたが失敗した。強姦しようとしていた相手が弟だった事に気付いた彼は自ら正体を明かし、犯行に至った動機を全て告白。最期は弟の手により殺された。
「狩り」をする際には、男性器&臀部が完全に露出する特殊なレザーコスチュームを身に着けている。普段はカツラをかぶっているだけであり、本当はモヒカン狩りである。
日高雄介(ひだか ゆうすけ)
東京都に住む警察官で、良司の弟。空手ができる。7件目の殺人が起きた翌日の深夜、おとり捜査でモヒカン男を捕まえるが、その正体が兄だったことを知り悲しみに暮れた。最後には、半ば衝動的に兄を殺す。
男子校生
都内の男子校に通う学生。7人目の犠牲者で、モヒカン男によって肛門裂傷で殺される。
女性
雄介の同僚。7件目の殺人が起きた翌日の深夜、モヒカン男を捕らえるべく雄介と一緒にカップルを装っておとり捜査をしていたが、モヒカン男に背後から殴られ気絶する。