男性死刑囚
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男性死刑囚(だんせいしけいしゅう)とは、死刑判決が確定した男の死刑囚。
本項では主に日本の男性死刑囚について記載している。
概要[編集]
第二次世界大戦後の日本では死刑判決が確定した男の死刑囚は、2021年現在で872人であり、日本の死刑囚のうち約98%を占めている[注 1]。また、少年死刑囚(戦後44人)に関しては全て男となっている。
主な事件[編集]
男性死刑囚は、死刑に関する主要な最高裁裁判例の創出に貢献してきた。以下に具体例を挙げる[1]。
死刑制度合憲判決事件[編集]
詳細は「死刑制度合憲判決事件」を参照
死刑制度を合憲とする判例が下された事件である。加害者は死刑確定時(1948年)21歳の男であった。
永山則夫連続射殺事件[編集]
詳細は「永山則夫連続射殺事件」を参照
死刑の適用基準(永山基準)が明文化された事件である。加害者は死刑確定時(1990年)40歳の永山則夫であった。
ジェンダーバイアス[編集]
サンフランシスコ大学教授のS. Shatzらの研究によると、死刑制度の適用にはジェンダーバイアスが存在し続けており、このバイアスの根源には歴史的な騎士道精神の概念があることが示唆されているという[2]。著者らは、2003年から2005年にかけてカリフォルニア州で起きた1,300件の殺人事件を調査した結果、女性に死刑が科せられる頻度は比較的低いと報告した。
一方で、ニューメキシコ大学教授のE. Rapaportの研究によると、女性死刑囚が少ないのは、死刑に値するほどの重大犯罪を犯す頻度が女性は少ないためだという[3]。また、死刑が家庭内の殺人よりも経済的その他の略奪的な殺人に重きを置いている一方で、女性は家庭内の殺人で死刑となるケースが多いことから、女性に不利なジェンダー差別が存在すると指摘している。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ↑ “死刑に関する主な最高裁裁判例”. 「死刑の在り方についての勉強会」の取りまとめ報告について. 法務省. 2021年6月11日確認。
- ↑ “STUDIES: Gender Bias in Death Sentencing” (2011年). 2021年6月11日確認。
- ↑ “The Death Penalty and Gender Discrimination” (1991年). 2021年6月11日確認。
参考文献[編集]
- 村野薫 『死刑はこうして執行される』 講談社〈講談社文庫〉、2006年1月15日、第1刷発行、120-124頁。ISBN 978-4062753043。
- 坂本敏夫 「序章 拘置所と刑務所」『死刑と無期懲役』 筑摩書房、2010年2月10日、第1刷発行、13頁。ISBN 978-4480065339。
- 年報・死刑廃止編集委員会 『オウム大虐殺 13人執行の残したもの 年報・死刑廃止2019』 (編集委員:岩井信・可知亮・笹原恵・島谷直子・高田章子・永井迅・安田好弘・深田卓) / (協力:死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90・死刑廃止のための大道寺幸子基金・深瀬暢子・国分葉子・岡本真菜)、インパクト出版会、2019年10月25日、初版第1刷発行。ISBN 978-4755402982。