火事場の馬鹿力
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火事場の馬鹿力(かじばのばかじから)とは、人間が危機に陥った時に普段では思いもよらない力を発揮する場合を言う。火事場のクソ力とも言う場合がある。
人間の筋肉は筋線維という太さ20ミクロンから100ミクロン、長さ3センチから10センチほどの細長い細胞が、身体全体でおよそ60億ほども繋がって出来ている。この筋線維が脳から命令伝達によって収縮し、力を発揮することになる。ところがこの筋線維は、普通の場合はいくら全力を出しても、生理的限界のおよそ半分程度しか能力を発揮できない。これはいつも全力を出していては身体のほうが持たなくなるからであり、自然に身体を守るように備わった防衛システムのようなものである。
ただし、火事のような自らの生命に関わる大事件に遭遇した場合には、無意識のうちにこのシステムが解除され、自分が持っている生理的限界に近づくほどの力を発揮することになる。これが火事場の馬鹿力であり、普段はおよそ半分しか使えない力が全て発揮できるのである。つまり、火事場の馬鹿力とは普段の力の2倍と考えてよい。
なお、火事場の馬鹿力は催眠療法や自己暗示などでも出せるようになるとされ、世界記録を作るようなスポーツ選手などはこのような火事場の馬鹿力を上手に発揮できる人間と考えてよい。