漆胡瓶
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漆胡瓶(しっこへい,Lacquered Ewer)は漆塗りのペルシャ式水差しである。
概要[編集]
聖武天皇の愛用品で国家珍宝帳に「漆胡瓶一口」と記載されている。「第68回正倉院展」で展示された。注ぎ口は鳥の頭となっている。草花や動物の文様が平脱技法で製作されている。銀の薄板を張って文様の形を作っている。
正倉院文書 天平勝宝八年六月二一日・東大寺献物帳 「漆胡瓶一口 銀平脱、花鳥形、銀細鏁連二繋鳥頭盖一受二三升半一」
素材[編集]
漆器は長年たつとゆがみやひび割れが生じやすいのは漆に含まれる水分が長い間になくなるため変形を起こすからである。ところが、本品は1000年以上に渡り変形や亀裂がない。これが長い間、不思議に思われていた。 宮内庁の木村法光によれば、漆胡瓶が「巻胎作り」で作られていることを明らかにした[1]。木や竹を巻き重ねて製作されているため、ゆがみが強いと考えられている。薄いテープ状の木を外側から内側に向けて巻き付ける。
注[編集]
- ↑ 木村法光「漆胡瓶」(『国華』 (1119)3),pp.7-13