標識窃盗
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標識窃盗(ひょうしきせっとう)、または標識泥棒(ひょうしきどろぼう、英語: sign theft)は、道路標識や鉄道標識の窃盗をさす。窃盗の理由は数多く、鉄などの資源としたり、珍地名・意味のある数字のコレクションとしたり、唯のいたずらであったりとさまざまである。窃盗犯は唯のいたずら程度にしか考えていないこともあるが、標識がない間は道路・鉄路・航路が危険な状態になり、再設置にも費用が掛かる。例えば、アメリカ帝国では、標識の再設置におおむね100ドルから500ドル程度の費用が掛かっている[1][2]。
法的な位置づけ[編集]
標識の窃盗は、ほとんどの法域において、ほかの物品にかかる窃盗と同じように裁かれる。しかし、道路標識がなくなったことが原因となって交通事故が発生したとき、窃盗犯が当該事故を予見できた場合において、交通事故での刑事責任を問われることがある。とあるアメリカにおける事例では、「止まれ」の標識を盗み、交通事故を起こした3人の窃盗犯が過失致死の罪で有罪判決を受けている[3][4][5]。
予防[編集]
トロントなどの一部地域では、標識の取り付けに特殊なボルトを使い、一般人が簡単に取り外しできないようにしている。ペニー・レインというビートルズの曲で有名なペ二ー・レイン通りでは、度重なる窃盗に行政は耐えかねて、標識の代わりに壁へのペイントで対処することにした。標識の模造品を売る自治体も存在する。69(シックスナイン)、420(大麻の俗称)、666(獣の数字)といった特別な意味を持つ数字と一致する道路番号は、道路番号そのものを変えることで対処できる[6]。
事例[編集]
- 2017年、鉄道オタクと思しき者によって鉄道標識が撤去されるという事件が、日本の山口市で発生した[7]。写真撮影に邪魔であり、撤去したと思われる。
- 2010年、セルビアのメディアは、セルビア中部の道路標識の盗難が多発していると報道した[8]。盗まれた道路標識はバーべーキューや屋根材に活用されているという。
出典[編集]
- ↑ Church, Zach (2007年7月29日). “The cost of Vandalism: Time, frustration and cash”. Eagle-Tribune
- ↑ Moeur, Richard C.. “Manual of Traffic Signs”.
- ↑ “Defendants get 15-year Prison Sentences for stop-sign killings”. CNN. (1997年6月20日) 2007年7月29日閲覧。
- ↑ “Stop-sign group challenges sentence”. St. Petersburg Times. (2001年3月24日)
- ↑ Baillie, Cole, and Miller were sentenced to between 27 and 46 years in prison, but would go free after only five years after a judge ordered a retrial because the prosecutor had overemphasized certain evidence in her closing arguments. The prosecution declined to bring the case a second time.[1] [2]
- ↑ “Thefts of '666' road sign bedeviling N.J. officials”. Associated Press. NBC News. (2008年9月29日) 2013年12月23日閲覧。
- ↑ 棚橋咲月 (2017年8月1日). “SL撮影の邪魔?鉄道標識なくなる 山口、窃盗容疑捜査”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社) 2017年8月11日閲覧。
- ↑ 次々に盗まれる道路標識、用途はバーベキュー セルビア