栄光の手
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栄光の手(えいこうのて、英:Hand(s) of glory、ハンド(ハンズ)・オブ・グローリー)とは、魔導具のひとつである。人間の手を材料に作られる蝋燭のこと。
製造法[編集]
絞首刑に処された罪人の右手を用いて、燭台を作成する。詳しい製造法は以下の通り。
- 切断した右手を白い布切れに包み、強く絞り上げ、中の血をすべて外へ出す。(血自体は使わないので捨てる)
- 壷(土を焼いて作ったものとされる)に、塩・唐辛子・胡椒・硝石・水の混合液を入れる。
- 壷の中に、血を出した右手を入れ、2週間ほど漬け込む。
- 天日干しで乾燥させる。乾燥が難しい季節に限り、クマツヅラと羊歯を焚いてもよいとされる。
右手を切るタイミングは、まだ絞首刑台にぶら下げられているとき、あるいは月蝕のときがベストとされる。
蝋も同じく罪人の屍体からつくり、他に、蜜蝋、北欧ラップランド産の胡麻を混ぜ合わせる。芯は、脂肪を取った罪人の毛髪を用いる。
手の部分は基本的に燭台としてのみ用いられるが、たまに蝋に漬け込み、指の部分まで蝋に同化させ、用いることもあるという。
効用[編集]
栄光の手には様々な魔力があり、降霊会のときに用いられたりもした。特に、門前で栄光の手に火を点すと、その家の中の人が麻痺をする(麻痺ではなく単に、熟睡するだけ、とも)と云われたので、泥棒の間で重宝された。逆に、上手く栄光の手に火が移らない場合は、家の中に魔力に屈しない人がいるので止めたほうがいい・・・という使われ方もした。
栄光の手の魔力を防ぐためには、梟の血、白い雌鳥の脂肪、黒猫の胆汁から軟膏を作り、それを敷居に塗りつければよい。また、一度火が点ると水などでは消すことができない、と信じられ、乳(牛乳など)だけが消せると考えられた。