東京すみっこごはん労働基準法違反事件
東京すみっこごはん労働基準法違反事件(とうきょうすみっこごそんろうどうきじゅんほういはんじけん)は、テレビドラマ『東京すみっこごはん』で労働基準法に違反する撮影が行われていたことを巡る騒動である。
事件[編集]
2017年3月1日付の文春オンラインと毎日新聞は、WOWOWのドラマ『東京すみっこごはん』で労働基準法に違反する撮影が行われていたと報じた[1][2]。報道によれば、労働基準法が13歳未満の年少者の午後8時から午前5時までの就労を禁じているにもかかわらず、当時6歳の子役は1月21日の正午から翌日の午前5時まで、17時間という長時間の撮影を強いられた[1][2]。監督の三島有紀子は、この子役に対して「深夜3時過ぎからダメ出しを繰り返し、数十回にわたる撮り直しを強行」した、と文春オンラインで報じられた[1]。WOWOWと制作会社のロボットは、長時間撮影(待機・仮眠を含む)については事実関係を認め、子役とその保護者に謝罪した[3][4][5]。同作は5月に放送が予定されていたが、WOWOWは放送をいったん取りやめると3月9日に発表した[6][7]。WOWOWは、4月28日に公開した「番組制作時に生じた問題の再発防止策」のなかで、「深夜3時を過ぎて監督が子役俳優のシーンを4、50回撮り直した事実及び撮り直しにより子役俳優が号泣したという事実はなかったことを確認した」と主張している[8]。子役の所属事務所は、スケジュールには午後8時で撮影が終了すると明記されており、深夜まで撮影が行われたことは事後報告によって判明した、と述べている[9]。
著名人の反応[編集]
この問題に関して、3月2日放送の『バラいろダンディ』に出演した俳優の梅宮辰夫は、「こういうのって児童虐待だよな」と指摘した[10]。さらに「監督なんて撮り方変えたらいくらでも簡単に終わるんですよ」と述べて、監督の技量を批判している[10]。雑誌『FILT』の中村千晶は、「我々も監督の現場を見学にいったことがあるが、週刊誌の報道とは大きなギャップを感じた」と述べて、三島を擁護している[11]。
脚注[編集]
- ↑ a b c “WOWOWドラマで天才子役が号泣した徹夜の“違法撮影””. 文春オンライン (2017年3月1日). 2017年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月9日確認。
- ↑ a b 木村光則 (2017年3月1日). “WOWOW 子役を深夜労働、労基法違反…ドラマ撮影”. 毎日新聞. 2017年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日確認。
- ↑ “3月1日付 文春オンラインの記事について”. WOWOW (2017年3月1日). 2018年7月9日確認。
- ↑ “週刊文春の記事について”. ROBOT (2017年3月2日). 2018年7月9日確認。
- ↑ “子役に違法な長時間撮影 WOWOWが謝罪「徹底した対応を取る所存」”. ORICON NEWS (2017年3月2日). 2017年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日確認。
- ↑ “WOWOW 子役“違法撮影”「東京すみっこごはん」5月放送中止”. Sponichi Annex (2017年3月9日). 2018年7月9日確認。
- ↑ “WOWOW社長「倫理の向上が求められる」 子役の違法長時間撮影を受け”. ORICON NEWS (2017年3月10日). 2018年8月17日確認。
- ↑ “番組制作時に生じた問題の再発防止策について”. WOWOW (2017年4月28日). 2018年7月13日確認。
- ↑ “週刊文春の記事について(2017.3.2)”. クラージュ (2017年3月2日). 2018年8月17日確認。
- ↑ a b “梅宮辰夫 子役が号泣した長時間撮影を非難「児童虐待」「監督がボケ」”. Livedoor ニュース (2017年3月3日). 2018年7月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年7月13日確認。
- ↑ 中村千晶 (2018年). “子どものころの宝塚観劇や、ごっこ遊びのこと。作品に対して思うこと。そして、昨年の週刊誌記事のこと。”. FILT. 2018年8月17日確認。