本日の卜部さん

『本日の卜部さん』（ほんじつのうらべさん）は、ましましによる日本の漫画作品。

キャラ・世界観を共有した連載版である『本日の卜部さんと』、その他読み切りについても扱う。

概要

酒・煙草・コスプレをこよなく愛する妙齢の美人女性卜部ハルナの日常を描く。
もともと作者ましましのX(旧Twitter)アカウント上で、連日「本日。」の一文とともに投稿されていた1ページ漫画であり、彼女の日々のコスプレとグルメの様子が立ち絵+4コマのシンプルな形式でひたすら描かれていた。
この総集編+描き下ろしを加えた「本日の卜部さん」が2023/8に発売され、さらには2024/5に「本日の卜部さんと」として連載化された。
「本日。」では基本的に彼女のみが登場し他の人物はほぼ現れず、またほとんどの場面は彼女が自宅で一人でいるところであるが、まれに読者視点の親しい誰かに話しかけているところが描かれる。
連載・読み切りは奔放な卜部に振り回される後輩木下ナツメとの友達以上恋人未満な関係を中心としたラブコメであり、「本日。」で描かれていた友人が彼であることが示唆される。

登場人物

主要人物

卜部 ハルナ

今作の主人公。24歳のシナリオライター。趣味は酒、煙草、コスプレ。身長165cm、スリーサイズは89-60-91。

服の上からでも巨乳が分かる抜群のプロポーション(作者曰く胸は「ほどほど」尻は「そこそこ」だが、どう見てもそんな水準ではない)と、黒とグレーのグラデーションがかかった豊かな髪、やや大きめの頭と切れ長の目が猫のような印象を与える美人。

自由奔放な性格で欲求に素直。

好物のスイーツを食べ、酒を飲み、酔って自宅でコスプレに走るのが三大お決まりパターン。容姿にも自信があり、様々なファッションを巧みに着こなす。酔うとさらに気が大きくなり、服を脱ぎ出す。コスプレではかなり際どいものを披露するが、羞恥心はあるようで酔っていないときは一人でコスプレして照れていることが多い。

怠惰なところもあり部屋にゴミを貯めがちだが、自分の生活空間はきちんと整理整頓してあったり、暴飲暴食しているようでいて体型管理には意外と気を使っていたりと、自堕落な印象に反してマメなところはある。

また、常に明るい一方で嫌なことがあったときにそれを隠す傾向かある。

読み切り・連載版でも後輩の木下ナツメを振り回しまくる先輩として主役を張る。「本日。」以上に奔放さに磨きがかかっており

• 水筒に酒を入れて持参しナツメとの外出中に泥酔、動物園でシカに大爆笑
• まだ学生のナツメ(彼氏ですらない)に飯をたかる
• ナツメを部屋に呼んで飲酒、泥酔して服を脱ぎ下着姿を見せつけ挑発

などかなりヤバい振る舞いが多々見受けられる。ただ本人はナツメに甘えてやっているフシがあり、食事は場合によっては自分が奢ることもあれば(ナツメ曰く「珍しい」が)、やりすぎて第一話からナツメの機嫌を損ねたときはきちんとフォローを入れている。

脱ぎ癖は暑がりが原因と示唆されており、他の場面でも酔った場合などは汗をかいていることが多い。

コスプレについては裏アカを作って自らの写真を投稿しその写真を自分で見てニヤける一方、その趣味についてはナツメに隠しており(実はバレていてアカウントまで知られている)、本人なりの羞恥心がある模様。また、素面の時に派手な露出のある衣装を着るのはさすがに恥ずかしいらしい。

ナツメに対しては友人としての距離感を崩さず、彼をからかって反応を楽しむ場面も多い。一方でハルナの中でもナツメの存在は特別なようで、ナツメから思わず距離を縮められると照れたり、出会うきっかけになった思い出の映画をとても大事にしていたり、バレンタインチョコを手作りして真っ赤になりながら渡していたりする。また自身とナツメの関係を詮索されるのは好まず、交際していると勘違いされると強固に否定する。

木下 ナツメ

今作のもう一人の主人公。22歳の大学生(学年はハルナの3つ下)。生真面目だが意外とノリが良い。口癖は呆れたときに出る「うーわ」や「一個いいですか」。奔放なハルナに日々振り回されながらも友人付き合いを続けている。

感情が顔に出ないタイプでほぼ常時だるそうな無表情、自分の気持ちを素直に語ることもない(奔放なハルナに対して苦言を呈する場面は多いが、たいてい心配や嫉妬の裏返し)。ただし内面の心理描写は豊富で、かなり嫌そうな無表情をしているのに内心大喜びしている場合も少なくないなど、無感情なわけではなくむしろ繊細な方である。また表情が変わらない分、手に心情が現れることが多い(手を隠す、胸の前に持ってくるなど)。

ハルナに対しては同様に友人としてクールに接する一方、彼女が人知れず傷ついているときにはそれを察して遠回しに支える懐の広さがあり、彼女からも信頼されている。

ハルナに比べると明確に彼女への好意がはっきり描かれている。具体的には

• ハルナの泥酔時の脱ぎ癖を知っているため自分以外の前で泥酔しないように暗に促す(そして自分にしかこんなところは見せないと言われて内心の喜びを隠せない)
• ハルナに彼氏ができたと勘違いさせられてハルナにバレバレなほどガチ凹みする(ネタバラシされて安堵を隠せない)

など、内面は非常にピュアで独占欲も人並み以上に強い。ただし奥手なためアプローチらしいアプローチはかけておらず、誘うのもたいていハルナからだったり、彼女に一矢報いようとするも一枚上回られることがほとんど。

ハルナのことは1年生のころコンビニバイト中によく客として煙草を買いに来ていたことで一方的に知っていた。その後ひょんなことから会話を交わして友人となり今に至る。だがその頃から今に至るまで

• ハルナを「ヤンキーの女」と内心で思いつつ毎日のように来るのを楽しみにしている
• それどころかハルナの"いい匂い"につられて手が止まったり、「意外と顔が可愛い」と内心で品評したりしている
• 深い関係になってからも何故かハルナのコスプレアカウントを一方的に知っている

など、若干ストーカー気質なところも否めない。ハルナとはまた少し違った方向で意外なキャラクター性を持つと言えるだろう。