朝課外

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朝課外(あさかがい)とは、1時間目が始まる前の早朝に行われる課外授業である。主に九州・福岡県高等学校で広く行われている。

概要[編集]

福岡県教育委員会によると1970年代から行われており、平日の始業前のおよそ1時間を利用する形で大学受験で必須となる主要教科(国語・数学・物理/生物/化学・日本史/世界史/地理・英語)の補習授業を行っている。実施の理由は「保護者の経済力に依存せずに生徒が希望の大学へ進学できるように」というもので、福岡県では学習塾や予備校にかける費用が全国平均より低いという。

朝課外以外にも最終時限終了後に行われる夕課外、夏休み期間中に行われる夏課外、冬休み期間中に行われる冬課外もあり、これらを全てを行う学校や複数個を行う学校もある。また宮崎県には最終時限の7時間目終了後に8時間目と称する夕課外が存在する。設定理由は朝課外と同じく、大学受験対策である。

問題点[編集]

朝課外はその名の通り正規の教育課程の外にある課外授業であり、本来受講は生徒の任意である。しかし通常の授業と同じように出欠を取り、朝課外に参加しないと遅刻扱いとして参加を強制している学校がある。そのため遠方から通学している生徒の中には日の出前に家を出なければならないケースも有るという。鹿児島県の吉松駅と宮崎県の都城駅を結ぶ吉都線が災害で不通となった際に設定された代行バスが吉松駅を午前3時50分に発車していたが、これは朝課外に出席する生徒のためにこの時間にバスを出す必要があったからだという[1]

また教師の朝課外に対する時間外手当が支給されなかったり、参加する生徒の保護者から徴収したりする例もある。(公立高校の教員は公務員であり、建前上時間外勤務や休日出勤が存在しない。)

廃止への動き[編集]

2017年9月に福岡県議会で朝課外の強制性を問う質問がされたことをきっかけにして、翌年度より福岡県教育委員会は朝課外の参加を生徒の自由意思にする方針を各校に通達するも、事実上の強制状態を続けている学校が多い。

熊本県は2023年度より「生徒の主体的学びを促し、保護者・教員の負担も軽減する」という名目で朝課外の廃止を決定した。

脚注[編集]