暗号少女が解読できない

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暗号少女が解読できない』(あんごうしょうじょがかいどくできない、I can't decipher a Code Girl.)は、新保静波による日本ライトノベル作品。イラストはぐらしおんが担当。

概要[編集]

2012年10月にスーパーダッシュ文庫より刊行されたライトノベル作品。第11回スーパーダッシュ小説新人賞大賞受賞作。

ストーリー[編集]

西村拓実は、東京から真昼々崎高校に転入してきた。そこで暗号好きの沢渡遙に興味を持たれ、記憶力の高さを活かして暗号を解いていくことになる。

登場人物[編集]

西村 拓実(にしむら たくみ)
本作の主人公。真昼々崎高校二年一組の男子。四月初旬に東京から引っ越してくる。平凡な男子高校生と自認しているが、唯一の特技として驚異的な記憶力を持っている。
転校早々の挨拶で失敗したことや物理教室への移動で遅刻して怒られたことでクラスのみんなから浮いてしまったと思っていたが、実は遥に指摘されるまでズボンのチャックを開けっ放しにしていたことが原因だった。一週間が過ぎたころにはクラスメイトからも普通に接してもらえるようになるも、あだ名は「ファス村」となってしまっている。
沢渡 遙(さわたり はるか)
本作のヒロイン。真昼々崎高校二年生。拓実のクラスメイトでクラス委員長をしている。着痩せするタイプ。
物理教室までの道順を長ったらしく遠回りの道を教えたのに一瞬で記憶してその通りに進んで遅刻した拓実に興味を持つ。そして、手紙で屋上まで呼び出して、嘘の告白をした。そこで、拓実に告白が嘘だという旨と暗号を書いた手紙を渡した。その暗号を拓実が解いて、さらに自身も気づいていなかったスカートを逆に履いていたという事実を指摘される。そのことで、さらに拓実に興味を抱いた。そして、拓実を面白いと思って友達になってくださいとお願いして、拓実と友達となった。
スカートを履き変えるために拓実の前で脱いだり、多田先生がきたときにスカートを履き変えるために拓実にロッカーに隠れさせられたときに暑いという理由で下着姿になったりととらえどころのない性格。
暗号好きであり、拓実と友達になってから暗号を解かせる日々を送っている。筆跡偽造もでき、『カイブン様の呪い』の真犯人として暗号を残したりしている。
昔は引っ込み思案な女の子だった。5年前に拓実と会ったことがあり、そのときに暗号が通じたことを喜んだ。そして、自分一人で暗号を作って遊ぶよりも他の人に作って遊ぶ方が楽しいと気づいて中学生のころには引っ込み思案を克服。暗号で遊べる相手は中々いなかったが、拓実が真昼々崎に戻ってきたことで再び接近するのだった。そして、三ツ竹山で拓実が怪我をして入院しているときに名前で呼んでほしいと暗号で伝えて、お互いに「遥さん」、「拓実くん」と呼び合うようになった。
野々崎 岬(ののさき みさき)
真昼々崎高校一年生の女子。小柄な少女。ショートヘアで前髪だけ伸ばしている。ミステリー小説が好き。
毒舌で、拓実に対してもキツい物言いをする。『カイブン様の呪い』を調べており、拓実と遥と一緒に調査することになる。不慮の事故で命を亡くした女の子の亡霊として面白可笑しく怪談にされている『カイブン様の呪い』に怒りを覚えて真相を確かめようとしている。そして、夜の校舎に拓実と遥と一緒に忍び込んで見つけたメッセージを解いたところ、「みつけてくれてありがとう」というメッセージとなり、何かしらの想いを持つのだった。
西村 知子(にしむら ともこ)
拓実の妹。中学二年生。愛称は「チコ」。年上に好かれやすく、可愛がられる。料理下手。
遥が拓実と出かける約束をしていたが、遥に急用ができたために頼まれて代わりに拓実と出かける。遥とは拓実が知りあう前から友達であり、そのことは黙りながら暗号付のメッセージカードを拓実と行く先々でこっそりと落として拓実に拾わせていた。
拓実とは両親が離婚している5年間は別々に暮らしていた。しかし、お互いに東京と真昼々崎を往復して申し訳なく思った両親が復縁。再び一緒に暮らすことになった。
中瀬 和希(なかせ かずき)
真昼々崎高校二年生の女子。一人称は「オレ」。拓実のことを「タク」と呼ぶ。直感がいい。
小学校のころは、拓実の隣の学区の南浦浜小学校(みなみうらはましょうがっこう)に通っていたが、よく拓実の前に姿を現していた。真昼々崎の小学生も束ねてガキ大将のような存在となる。喧嘩も強く、面倒見も良かったことで親分気質となった。拓実のことが好きで拓実を危ない目に遭わすことが多かったが怪我をさせると落ち込んでいた。小学生のころは拓実は和希のことを男の子だと思っていた。そのため、高校になって胸が膨らんだ金髪ポニーテールの少女になっていたときは、拓実は驚いている。
拓実が唐揚げが好きと聞いてから料理を勉強して上達して、弁当を拓実に食べさせたりしている。遙とは馬が合わずにいい争うことが多い。そして、拓実を陸上部に勧誘しようとするも拓実を暗号部に入れたい遙と勝負することになる。最初の陸上勝負で遥に僅差で勝利したものの、遥の足を認めて遥にも陸上部に入らないかと勧誘。そして、次の暗号勝負で遙が考えた暗号を拓実より先に和希が解けたら、拓実と遥が陸上部に入るという勝負となる。拓実を捻挫させてしまったことで勝負が流れた。そして、拓実を怪我させてしまったことで落ち込んで反省してタクシーを呼びに行った。
美言(みこと)
拓実と知子の母親。夫とは喧嘩ばかりして離婚したが、子供たちによって復縁する。
鉄郎(てつろう)
拓実と知子の父親。妻とは喧嘩ばかりして離婚したが、子供たちによって復縁する。
多田(ただ)
真昼々崎高校の英語教師。熱血で体育会系の先生であり、鍛え抜かれた肉体をしている。生徒想いの先生で、拓実のことも心配してよく怒っている。
笹原(ささはら)
拓実の隣の席の男子。ラグビー部所属。『カイブン様の呪い』の噂を聞くために、遥と拓実がラグビー部まで話を聞きに行った。女子の前ではチャラ男風だが、体育会系男子。
伊海田(いかいだ)
三ツ竹山の管理人をしている老人。70になろうかという好々爺で20年ほど前に奥さんを亡くしてから山で自給自足の生活をしている。拓実たちも子供のころにお世話になった。

用語一覧[編集]

真昼々崎高校(まひるがさきこうこう)
西村たちの通っている高校。女子は学年ごとにリボンの色が違い、一年生は黄色、二年生は緑色、三年生は青色となっている。
カイブン様の呪い
真昼々崎高校であった噂。二年生の全クラスで黒板に謎の落書きが書かれていたため、怪談が現実になったと話題になった。
小学校だったが数十年前に廃校して、新しく真昼々崎高校ができるまでの間に無人の校舎が子供たちの遊び場になっていた。そこで女の子が倒れたが、業者が気づかずに校舎を全壊させてしまった。それを不慮の事故で命を亡くした女の子の亡霊が黒板に字を書いているという噂に脚色された。

単行本[編集]

スーパーダッシュ文庫集英社)より、刊行。

タイトル 初版発行日 ISBN その他 サブタイトル
暗号少女が解読できない 2012年10月30日(2012年10月25日発売) ISBN 978-4-08-630701-7
  • 第一門 最初で最後のラブレター
  • 第二門 ひとりぼっちのカイブン様
  • 第三門 逆立ち歩きのガールズハート
  • 第四門 三ツ竹山メモワール

外部リンク[編集]