所沢ガソリンスタンド強盗致死事件
所沢ガソリンスタンド強盗致死事件(ところざわがそりんすたんどごうとうちしじけん)は、所沢市のガソリンスタンドが放火された事件。
概要[編集]
2010年8月12日午前4時頃、埼玉県所沢市星の宮一のセルフ式ガソリンスタンド「内友商店オートピア星の宮」で火災が発生。事務所が全焼して、従業員の男性が倒れているのが発見された。男性は大やけどを負って5日後に熱傷性ショックで死亡した。
警察は、放火の疑いが強いとみて捜査。事件からしばらくたった2013年2月14日にガソリンスタンドの元アルバイト従業員Nが強盗殺人と現住建造物等放火の疑いで逮捕された[1]。NはKの元同僚。2011年4月に男性は事件当日にガソリンスタンドからノートパソコンを持ち去って壊したなどの器物損壊罪の容疑で逮捕されており、この事件では有罪となって2012年3月まで刑務所にいた。当時のNは、解雇されたため恨みからやったと器物損壊については認めていたが、放火については否認していた。
2013年3月6日、Nは強盗致死罪で起訴された。
裁判経過[編集]
検察は、2010年8月12日午前4時頃に、店番をしていたKの服などにガソリンをまいて「騒いだら火をつける」と脅したと主張。その後に、ガソリンが着火してKが死亡したとした。事件前に強盗計画を知人に持ちかけているなど、金銭目的の極めて悪質な事件だとして無期懲役を求刑する[2]。これを弁護側は、Nは事件時に現金の要求はしていないなど金銭目的を否定。ガソリンをまいたことは認めたが、放火は金銭トラブルでガソリンスタンド店を辞めたNが自殺しようとしたためだったとして、傷害致死罪が成立するとした。
2014年3月17日、埼玉地裁(栗原正史裁判長)は、求刑通りの無期懲役の判決を言い渡す[3]。判決では、Kが事件直後に駆けつけた救急隊員にした証言から事件状況を認定し、Nが現金保管場所を認識して強盗行為に及んだとした。そして、Nの供述を不合理として退けた。その上で本事件は「強盗致死罪の中で極めて悪質」と述べた。