忘却の軍神と装甲戦姫
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『忘却の軍神と装甲戦姫』(ぼうきゃくのかみとブリュンヒルデ)は、鏡銀鉢による日本のライトノベル作品。イラストはchocomori。メカデザインはkaramiso/inw。
概要[編集]
第8回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞。受賞時は、ノベロイド二等兵のペンネームでタイトルは『地球唯一の男』として受賞している。2012年12月からMF文庫Jで刊行が開始。全4巻が刊行された。
ストーリー[編集]
2012年から3012年までの千年間冷凍カプセルで眠っていた桐生アサト。そこは500年前に男が絶滅してしまった世界であり、アサトは地球上で唯一の男として目覚めたのだった。
登場人物[編集]
防衛学園[編集]
- 桐生 アサト(きりゅう アサト) / 朝徒(あさと)
- 本作の主人公。17歳。国防学園二年三組に通っていた一等兵だったが、千年間冷凍カプセルで眠りについて目覚めた世界では自分しか男がいなくなっていた。冷凍カプセルに入れられていたのは射撃訓練中の事故によって他の生徒の暴発した弾が頭に当たって植物状態となる。当時の医療だと取りだすのが難しく、母親のアスミが未来の技術に託すために冷凍カプセルに入れて眠らせた。アスミの死後に、アメリカの大学が引き取るために冷凍カプセルを乗せた運んでいた船が沈没してリスクを考えられて千年間引き上げられなかったため、長らく目覚めることはなかった。
- 目覚めてから戸惑いつつも、日本防衛学園二年二組に編入する。かなり鍛えているため、マイカたちがアサトを叩いても逆に相手の手が痛くなってしまう。金属バットで滅多打ちにされても少し痛い程度。
- 女だけの世界で男の自分が戦うことに戸惑いつつも、アルタニアの襲撃で目の前で兵士が死んでいくのを見て自分も戦うことを決意。そして、自分一人だけが汚れることを決意して仲間を守るために敵の女性兵士を殺害しつつ、マーベルを一騎打ちで退ける。そのことで学園で英雄視されるようになり、今までの扱いから一転してラブコールを受けたりするようになる。また、マイカとエリコと同じ班になる。
- アラビア語を話せる。
- 桐生 マイカ(きりゅう マイカ)
- アサトが冷凍カプセルで眠った後にできた妹の40代先の子供。17歳。日本防衛学園二年二組所属。勉強は苦手。
- 千年後の世界に目覚めてから戸惑うアサトのことを気遣う。寮ではアサトと同室。マーベルらによる防衛学園の襲撃後にアサトとエリコと同じ班になる。
- 十分な巨乳の持ち主だが、周囲がそれ以上の巨乳であるため悔しがることもある。
- 母親は五年前に一緒に海に行ったときにマイカを庇って死亡している。そのため、アサトが死ぬことを恐れており、アサトが少しでも傷つくと取り乱す。
- 桜庭 エリコ(さくらば エリコ)
- 日本防衛学園二年二組の委員長。マイカ以上の巨乳の持ち主。周囲からはお姉さまと慕われている。
- アサトに体力測定で全て負けてしまい、直後にアサトと事故でキスしてしまう。怒ったエリカはアサトに勝負を申し込み、甲冑を用いた勝負をすることになる。甲冑に慣れていないアサト相手に最初は余裕だったが、身体能力の差で追い詰められていく。最後にアサトが攻撃をわざと外したことで勝利するも馬鹿にされたと思うのだった。だが、「桜庭の綺麗な体と顔を傷つけたくなかったから」と言われたのを乙女フィルターで解釈して好意を抱くようになる。そして、「アサトが全校生徒が認める大人物になる事」を目指して自分のプライドを守りつつ、アサトのものになろうとする。
- マーベルらによる防衛学園の襲撃後にアサトとマイカと同じ班になる。
- 佐久間 サオリ(さくま サオリ)
- 大尉。日本防衛学園の教官。ショートヘアのグラマラスな女性。
- 教官として赴任する前は様々な戦場で活躍してきており、確かな実力を持つ。アサトを自分の後継者以上になる存在と見込んで指導を行っており、アサトのことを色々とサポートする。
- 軍人がバスタオルをつけてお風呂に入るのを良しとせず、バスタオルをまいている女がいたら剥ぎ取る。
- 小宮 カナデ(こみや カナデ)
- 大尉。日本防衛学園の技術研究所所長。史上最年少で技術研究所所長になっている。ロングヘアーで眼鏡をかけている女性。アサトを貴重なサンプルとして研究所に一生閉じ込めておくという案に反対して、アサトを冷凍カプセルから解凍した。
日本軍[編集]
- 斎藤 ミヤコ(さいとう ミヤコ)
- 日本軍、第十八五歩兵連隊、連隊長。階級は大佐。マーベルとの決闘に負ける。
アルタニア[編集]
- マーベル・ヴォルナード
- 階級は大佐。軍が経営する孤児院出身で大戦に向けて英才教育を施されてきた。初陣は十二歳で、十八歳にして大佐となっている。「無敗の戦乙女」と呼ばれている。
- 日本のことを研究すればするほど日本のことを嫌いになっていたが、アサトとの出会いで満足させる兵士が現れたと喜ぶ。防衛学園の襲撃時にアサトと一騎打ちをして敗れ、アサトにキスをして立ち去る。
- 18歳という年齢に比べて成熟した体つきで、エリコ以上の巨乳。
- イレーナ
- 外務大臣。戴冠式にてアサトが招待されたころにアウラビアにマーベルを護衛としてやってきている。
アウラビア[編集]
- ファラ
- アウラビア王国の女王代理。ラーバ教徒だが、差別や偏見が嫌いで男であるアサトに対して友好的。
- 母が病に倒れて女王の役職を受け継ぐが、姉のジャーミアが実質的な権力を握ってお飾りのような立場になる。戴冠式にてアサトを招待する。ナイラやジャーミアにクーデターを起こされて絶体絶命に陥るが、アサトによって国を救われる。そして、クーデターを起こした者たちの罪を許して正式に女王に就任。アサトを慕うようになる。
- ナイラ
- アウラビア王国最強の戦士。中東の軍事国家で五国軍事連合の一つイラハスタンの出身。イラハスタンでは、神罰の執行者ナイラ大佐としてエースパイロットとして有名だったが、二年前に国を出てファラの親衛隊隊長となる。
- 実はイラハスタンからのスパイであり、ジャーミアに政権奪取の計画を持ちかける。そして、ファラにアサトを招待するように言って、暴れたという名目で軍事演習でアサトを殺害して、ジャーミアの支持を上げてファラの支持率を落とそうとする。だが、アサトとの対決に敗れて逃げることとなった。本心ではファラに死んでほしくなかったとアサトに看破されている。
- アイシャ
- ファラの親衛隊。死なない限り戦い続けるタフネスさをもつ。
- 元々はスパイとしてやってきたが、ファラの優しさに情が湧いていく。それでも妹を守るためにと戦うが、アサトに敗れる。さらにナイラから妹がすでにいないと言われて絶望する。
- ジャーミア
- ファラの姉。教王大臣。男を邪悪な存在としてアサトに敵意を向ける。
- ファラが女王になると他の七大臣を味方に引き入れて実質的な最高権力者となる。そして、ナイラと組んでファラにクーデターを起こそうとする。計画は失敗して、中立国群にアサトが無害だと説明することになる。そして、ファラと和解した。
- カーノーン
- 中立国群のアウラビア軍元帥。ラーバ教徒なため、男を邪悪な存在としてアサトに敵意を向ける。だが、アサトがナイラとの戦いの中でつぶされそうになった人を助けるのを見て、部下と一緒に日本軍に協力する。
過去の人物[編集]
桐生家[編集]
- 桐生 アスミ(きりゅう アスミ)
- アサトの母親。植物状態となったアサトを未来で救えるように冷凍カプセルに入れた。軍事甲冑の業界では知らない人がいない偉人。
第十一分隊[編集]
- 猿渡 門司(さるわたり もんじ)
- 享年19歳。
- 凪本 怜央(なぎもと れお)
- 享年19歳。金髪碧眼の少年。
- 大野 二郎(おおの じろう)
- 享年17歳。
- 岡村 平治(おかむら へいじ)
- 享年18歳。
- 天道 小鉄(てんどう こてつ)
- 須鎌 雄一郎(すがま ゆういちろう)
- 浅野 達也(あさの たつや)
- 大丸 太志(だいまる ふとし)
- 柿崎 錬二(かきざき れんじ)
- 小野寺 広見(おのでら ひろみ)
- 宗堂 健吾(そうどう けんご)
その他[編集]
- 佐々山
- アサトがかつて所属していた隊の隊長。
- 五里伍長(ごりごちょう)
用語一覧[編集]
- 日本防衛学園(ぼうえいがくえん)
- 500年前に国防学園から名称が改められる。軍事学校で1600平方メートルの敷地内に様々な軍事施設がある。全寮制。
- 新型ウィルス
- 男が絶滅する原因となったウィルス。二十四世紀から男の出生率が加速度的に落ちていき、その原因がY染色体を含む受精卵が細胞分裂して胚になることを妨げるウィルスのせいだと発見した時には手遅れとなっていた。これによって500年前に地球唯一の男が死んで、人工精子が認可されて女同士で結婚して子供を作るようになっている。
- 第十一分隊
- 千年前にあった日本史上最も過酷と言われた三次大戦最強の部隊。アサトが隊長をつとめていた。
- アルタニア
- 軍事大国。世界に戦争を仕掛けた五国連合の一つ。
- 中立国群
- 中東の主な宗教であるラーバ教を信仰する国々。世界大戦には参加せずに中立の立場。
- ラーバ教
- 中立国群の主な宗教。この世の流れは全て神のご意思でこれに反する事柄は背信行為で、ラーバ教徒は世界を正しく監督する義務を負うという教えがある。
- アウラビア王国
- 中立国群のリーダー的国家。王制ではあるが、絶対王制ではなく、政治は女王と八大臣で決める。
- イラハスタン
- 五国軍事連合の一つ。中東の軍事国家。
軍事甲冑[編集]
- 軍事甲冑(ぐんじかっちゅう)
- 強化外骨格(パワードスーツ)で兵士が乗って武装して敵と戦うもの。3012年までには世界中の軍が兵士の基本装備としている。基礎になる発明はアスミによってなされている。
- 量産型ではない高機動型甲冑に乗る兵を装甲戦士(ワルキューレ)、専用機乗りを装甲戦姫(ブリュンヒルデ)と言う。
- スサノオ
- 赤い甲冑。すさまじいGがかかるため常人には扱えないが、それに耐えられるアサトが乗ることになる専用機。
- センゴク
- 佐久間の乗る高機動型甲冑。
- ノブナガ
- センゴクの後に佐久間の乗ることとなった広域殲滅特化型機体。
単行本[編集]
MF文庫J(メディアファクトリー)より刊行。
巻数 | 初版発行日 | ISBN | その他 | サブタイトル | ||
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1 | 2012年12月31日(2012年12月25日発売) | ISBN 978-4-8401-4945-7 |
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2 | 2013年3月31日(2013年3月25日発売) | ISBN 978-4-8401-5137-5 |
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