御坊市旅館強盗殺人事件

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

御坊市旅館強盗殺人事件(ごぼうしりょかんふぉうとうさつじんじけん)は、2012年9月25日に旅館経営者が殺害された事件。

概要[編集]

2012年9月25日午後2時過ぎから午後3時10分までの間に和歌山県御坊市湯川町の旅館「コトブキ」で、女性経営者Yが胸や腹を包丁で数回にわたって刺されて浴衣の帯で首を絞められて殺害される事件が発生。1階と2階の踊り場で倒れており、死因は出血性ショック。凶器とみられる包丁が2階廊下に落ちており、包丁には血痕も見つかった。

その後、遺留物(採取された指紋など)の鑑定結果などから10月2日にはIに殺人の疑いで逮捕状をとった[1]。2本の包丁でYを殺害して宿泊代金およそ1万4000円を支払わずにYの現金約1万2000円を奪って逃走したとしてIを指名手配。2012年10月24日、兵庫県明石市でIは逮捕される[2]。2014年11月15日までに、和歌山地検は強盗殺人の罪でIを起訴する[3]

裁判経過[編集]

裁判でIは起訴事実を全面的に認める。検察側は所持金が底をつきてYを脅そうとしたところで大声を出されたために殺害したと指摘する。検察側は、計画性が無いことから無期懲役を求刑。弁護側は、計画性がないことや本人も死刑をのぞむほど反省しているとして懲役19年を求めた[4]

2014年3月20日、和歌山地裁(浅見健次郎裁判長)は求刑通りに無期懲役の判決を言い渡した[5]。判決では、アジさき包丁で突き刺すという行為で殺意を認定して、身勝手で短絡的な犯行で悪質とした[6]。被告側は量刑を不服として控訴した。

2014年11月28日、大阪高裁(米山正明裁判長)は、一審判決を支持して無期懲役とした[7]。「計画性がなく、年金で被害弁償することで遺族と合意した」として有期刑を求めていたが、刑を軽くする事情にはあたらないとした[8]

2015年4月4日、最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)は、上告を棄却[9]。決定は4月2日付で、無期懲役判決が確定した。

関連項目[編集]

脚注[編集]