小田急3000形電車 (2代)
小田急3000形電車 (2代)(おだきゅう3000がたでんしゃ)とは、小田急電鉄にて使用される通勤形電車の1形式である。
開発の経緯[編集]
小田急電鉄はこれまで、初代5000形や8000形、9000形など高性能電車を開発してきた。21世紀に入ると、バリアフリーや少子化、環境問題の観点から新たに、コスト削減や軽量化を図った車両を導入することになった。それが3000形電車である。
走行機器[編集]
IPM-IGBT素子の2レベルVVVFインバーター制御を採用。ブレーキ方式は6連の通勤車初となる電気指令式ブレーキを採用し、電磁直通ブレーキとの読み替え装置もつけられた。
車内[編集]
- 1次車
モケットは赤から紫へのグラデーション模様とした。優先席はその逆で紫から赤へのグラデーション模様とした。 先頭車の座席のうち、乗務員室の助士席側直前の箇所は車椅子スペースを設け、車椅子利用がない際に使用するための3人がけ収納式座席を設置した。現在は3人がけの収納座席は使用されていない。 車内案内表示装置は、LEDスクロール式案内表示装置を各車両の客用扉上部4箇所に千鳥配置で設置した。 客用扉は原則1600mm(乗務員室直後の扉のみ1300mm)のワイドドアを採用、戸袋窓も設置された。 室内灯は、登場当初は蛍光灯であったが、現在はLED照明に改められている。
- 2・3次車
モケットのデザインを見直し、グラデーション模様ではなく赤色系の模様を採用した。優先席は青色系の模様を採用した。 客用扉は1300mmの通常ドアに変更、戸袋窓も省略された。 室内灯は、登場当初は蛍光灯であったが、現在はLED照明に変更している編成がある。
- 4次車
車内案内表示装置の変更を実施、4次車では15インチ1画面液晶モニタ式案内表示装置を各車両の客用扉上部4箇所に千鳥配置で設置した。 なお現在は17インチ2画面モニタに変更している編成もある。
- 5 - 7次車
車内案内表示装置の変更を実施、5 - 7次車では15インチ1画面液晶モニタ式案内表示装置を各車両の客用扉全てに取り付けられた。 なお現在は17インチ2画面液晶モニタに変更している編成もある。
- 8・9次車
8両編成の10両編成化に伴い導入された中間車2両(2・3号車)が該当する。 座席は改良が施された。 車内案内表示装置の変更を実施、5次車〜7次車では17インチ2画面液晶モニタ式案内表示装置を各車両の客用扉全てに取り付けられた。 また室内灯は当初からLED照明を採用した。
配置と運用[編集]
2022年現在、6連27本(うち初期車12本)、8連8本、10連12本の計346両が在籍する。
初期車12本は1000形未更新車の運用離脱後、8000形以外と編成が組めなくなっている。
- 10両固定編成
原則として、各線の通勤準急を除く優等列車を中心に充当されている。 運用の都合上で小田原線(新宿駅-新松田駅間)と多摩線の各駅停車にも充当されることもある。
- 8両固定編成
小田原線の新宿駅-秦野駅間と多摩線の各駅停車に充当されている。
- 6両固定編成
8000形の4両編成と組んで10両編成で運転する場合は、各線の優等列車を中心に充当されている。 運用の都合上で小田原線(新宿駅-新松田駅間)と多摩線の各駅停車にも充当されることもある。 6両編成単独で運用する場合は、小田原線の町田駅以西と多摩線、江ノ島線のみで運行している。 2022年のダイヤ変更より、小田原-相模大野・町田間の6両編成の急行に充当されるようになったほか、平日早朝時間帯に引き続き唐木田駅→新百合ヶ丘駅間の急行に充当されることもある。
かつては区別なく併結が行われたが、相性の良い車両、悪い車両が存在した。例えば電磁直通ブレーキで電制を持たない初代4000形と併結した場合は安定していたが、逆に特殊な電制の回路を持つ9000形の4両編成と組むと大暴れし、この組成自体運転士からかなり嫌われていたようである。