小田急線騒音損害賠償請求訴訟
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小田急線騒音損害賠償請求訴訟(おだきゅうせんそうおんそんがいばいしょうせいきゅうそしょう)は、小田急小田原線での騒音が問題となって争われた裁判。
概要[編集]
代々木上原駅から喜多見駅間で高架複々線化事業を巡る騒音について、地元住民が問題提起をする。1998年7月、公害等調整委員会が小田急電鉄に騒音レベルが70デシベル以上となる住民に賠償するよう裁定する。しかし、これを不服とした複数の住民グループが同年8月に計約7億8000万円の損害賠償などを求めて提訴。2014年7月31日に和解が成立するまで16年に及ぶ裁判となった。
裁判経過[編集]
2004年に住民の一部の203人が小田急側との和解に応じた。
2010年8月、東京地裁は、原告のうち42人に計1100万円余りを支払うよう判決を言い渡す。騒音の差し止め請求は「小田急線は公共性が大きい」として棄却。判決に対して、小田急と原告は共に控訴した。
2014年7月31日に東京高裁(菊池洋一裁判長)で和解が成立[1]。小田急電鉄が原告118人に対して計5500万円の和解金を支払うとした。また、騒音対策として「高架化された区間の騒音レベルを日中(午前7時~午後10時)は平均65デシベル・夜間の午後10字~午前7時は60デシベルに規制」、「2年以内に地上1.2メートルの高架橋上でも同レベルに抑える」、「車両や設備の改良などによる騒音低減化、車輪やレール保守整備などの騒音対策を講じる」といった内容が盛り込まれた。
備考[編集]
鉄道の在来線の騒音について環境基準が設けられていなかった。今回の和解で初めて鉄道事業者が守るべき騒音の具体的な基準が示されることとなった[2]。