小田原父親強盗殺人事件

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小田原父親強盗殺人事件(おだわらちちおやごうとうさつじんじけん)とは、2013年に息子が父親を殺害して財布を奪ったとされている事件である。

概要[編集]

2013年4月17日の午前9時50分頃、神奈川県小田原市鴨宮にあるアパートの大家が住人のAが倒れているのを発見して通報。警察は、被害者の倒れている1階の部屋の中を調べ、血を流して倒れているのを確認。病院に運ばれるも、死亡が確認される。警察は、胸に刺し傷があるほか、頭部に鈍器で殴られたような傷が複数あったことから殺人事件と断定。 被害者のAは、妻と2人暮らしで、妻は別居している(Aの)長男Kが、金の無心に来てトラブルになっていたと話した。別居している息子は、連絡が取れずにいたため、警察は行方を追った。

4月17日夜、小田原署員が事件現場から約200メートル離れたパチンコ店を出てくるK容疑者を発見しため任意同行。Kは、「殺して財布を奪ったことは間違いない」と逮捕容疑を認めた。 4月18日、神奈川県警は、強盗殺人の容疑でAの実の息子であるKを逮捕した[1]。容疑では、Kは父親であるAのアパートに押しかけて、Aの頭をハンマーで数回殴ったうえで刃渡り約10センチメートルの果物ナイフで胸を突き刺して殺害。現金5万円の入った財布を奪ったとされた。その後、検察は父親を殺害して財布を奪ったとして、強盗殺人罪窃盗罪詐欺罪で起訴した。

裁判経過[編集]

2013年9月6日、初公判が開かれた。Aが犯行を認めていることなどから、量刑が争点となった。検察側、弁護側はそれぞれ次のように主張して、9月11日に検察側は無期懲役を求刑し、弁護側は酌量減軽を求めた[2]

検察側
  • 殺害前日に父親から金を無心しようとしたが、拒絶されたために殺してでも奪おうとした。生活費や遊ぶ金欲しさの犯行であり、身勝手な動機で更生は不可能。
  • 父親に責任の一端があるかのような言動をしていて、反省が不十分。
  • Aの母親や姉も処罰感情が厳しい。
弁護側
  • Aは幼年期に児童養護施設に預けられており、事件を起こした最大の原因は、父親の育児放棄に深い恨みを抱いていたため。殺害行為がしつこいことなどからもそのことがうかがえる。
  • 犯行当時は、統合失調症の薬が切れており、善悪の判断能力などが減耗していた。

2013年9月17日、横浜地裁小田原支部佐藤晋一郎裁判長)は、懲役30年の実刑判決を言い渡した[3]。判決では、金銭目的の犯行で悪質とした一方、父親がいながら児童養護施設で学童期の大部分を過ごした不遇な生育環境が、父親に対する犯行に結び付いた可能性を排除できないとして、検察の求刑だった無期懲役から酌量減軽した。

脚注[編集]