小数

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小数(しょうすう)とは、分数などと同じく、数の表現方式の一種である。数字以外に小数点(「.」)を用いる。なお、「少数」と書くと全く別の意味になるので注意。

概要[編集]

分数がナイル文明・チグリス=ユーフラテス文明の時代から使われてきたのに対し、小数が使われるようになったのは中世以降のことである。小数点はジョン・ネイピアによって発明された。(それぞれ1のある位だとして)小数点第1位は「0.1」、小数点第2位は「0.01」である。
分数のうち分母が2と5だけしか因数として持たない数は、有理数を正確に示そうにも桁数が無限桁になってしまう(これを無限小数という。対義語は有限小数)。具体的には2/3

= 0.66666.... となって終わらない。ただし、数の大小比較を直感的に行うには小数のほうが適している。古代バビロニアで六十進数を用いたのは、60 の素因数は 2・3・5 であるため、有限小数として扱える数が多いということもありそうである。すなわちバビロニア式だと2/3
= 40 となるが、小数点がないため「桁はいくつだ?」という悩みもある。

循環小数[編集]

無限小数のうち、同じ数字の並びが無限に続くものを循環小数という。紙に書くのならそれなりに表現の方法はあるのだが、パソコン上で扱おうと思うと人間が(主にキーボードを使って)データ列で表せないと不自由である。
たとえば 7 の逆数は 0.14285714285714285714 …… になるため、これを 0.[142857] と表す流儀がある。これは便利な反面、直観を裏切るため、ときに悩ましい。0.[3]×3=0.[9]であるが、0.[9]=1 なので悩んだという人もいらっしゃった。ある意味数学屋の業界言葉である。

固定小数点と浮動小数点[編集]

科学や工学の分野では観測精度や測定精度や工作精度というものがあって誤差との絡みがある。したがって、「高度一万メートル」を「高度10000m」と書くと、「9999.5m 以上10000,5m未満なのか?」という面倒臭さがある。そこで「104 * 1.00 m」と書けば「10m くらいは誤差のうち」という含みが伝わって便利である。つまり「10 の冪乗かける適当な数」と表す方式があり、これを浮動小数点という。ただし桁を間違えるといきなり10倍違っちゃうので、そこに配慮して適当な単位を設けるなどして冗長度を上げるといった配慮があっていい。青年向けビジネスマンガで「発注伝票のゼロを一つ間違えた」的なことはお約束だが、そういうことのないようにくれぐれも気をつけること。

関連項目[編集]

脚注[編集]