富山地方鉄道14720形電車

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富山地方鉄道14720形電車(とやまちほうてつどう14720がたでんしゃ)は、かつて富山地方鉄道に在籍していた鉄道車両の1形式。

登場の経緯[編集]

10020形第1編成に続いて1962年にモハ14721-サハ222-モハ14722の3連1本が登場した。10020形と比較すると主電動機出力が高くなっているのが特徴となっている。

その後、1969年に入り10020形の第1編成からサハ221を抜き取り、クハ171とし、サハ222もクハ172に改造して2連2本が仕立てられた。

構造[編集]

車体は10020形に準じた18m級片開き2ドアの全鋼製車体を備え、前照灯も中央の1灯と両端の副灯2灯の計3灯構成となった。

車内もセミクロスシートで、車端部がロングシートとなっている、

主要機器については14770形14780形で実績のある110kW主電動機と中空軸平行カルダン駆動の組み合わせとされ、1M方式を採用した。

制御装置とブレーキ方式は一般的な抵抗制御に電磁直通ブレーキとされた。台車のみは空気バネ式のNA-308を採用している。

その後の経緯[編集]

1969年5月に全国植樹祭が富山県で行われた際はサハ222の椅子の一部を取り外し、ソファとテーブルを設置してお召し列車として運転された。その直後には輸送力を勘案した上で2連化が行われたが、出力の大きい1M車であったことが幸いしてサハ221, 222を改造したクハ171, 172と編成を組むことができ、それぞれモハ14721-クハ171およびモハ14722-クハ172の組み合わせとなった。

1986年には14721Fが、1987年には14722Fが冷房化、同時に前照灯の2灯化や貫通路の狭幅化なども行われた。後に2本ともワンマン化され、14721Fは黄色と緑のツートンカラーに塗り替えられ、14722Fについても前面を14760形に近づける改造が施されている。

このように50年以上にわたり大切に運用されてきたが、14721Fは2012年に立山駅停車中にモハ14721の床下から発火し同車が全焼。以降1年半以上に渡り休車とされたが、修理はなされず2013年9月18日付で171もろとも廃車解体に至った。

残る1本についても10020形10025Fとともに最後の20系として勇姿を見せていたが、17480形の増備により2019年12月のお別れイベントをもって引退。翌20年1月に解体のために搬出され、14720形は形式消滅となり、20系自体も全廃となった。

関連項目[編集]