女性中心主義
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女性中心主義(またはガイノセントリズム、英: gynocentrism[1])とは、女性を優先して男性を排除・軽視する、思考様式・行動様式のことである。
概要[編集]
フェミニズムの思想が女性中心主義的になりがちであることは論を待たないが、人類社会全体において女性中心主義の根深さが問題となる。
英語での対義語はアンドロセントリズム(androcentrism)である。「男性嫌悪」(ミサンドリー、misandry)は類義語であるが、これは女性中心的な思考というよりは男性に対する嫌悪を意味する。
欧米の男性運動において、女性中心主義は、騎士道のような中世の宮廷恋愛の習慣に由来するものと捉えられている。いわゆる「レディーファースト」はこの一例である。この意味でフェミニズムは決して人々を弊習から解放するものではなく、古くからの抑圧的な習慣を再生産するものである。
ミグタウ(MGTOW)は、女性中心主義・ミサンドリーに対する反発から生じた運動である。
女性中心主義への批判[編集]
女性中心主義的なフェミニズムは科学や芸術を男性的なものであるとして排除するという問題がある。アメリカの哲学者、クリスティーナ・ホフ・ソマーズ[2]は女性中心主義を反知性主義的であるとして批判している。
ポール・ネイサンソンとキャサリン・K・ヤングは、2006年に出版された『合法化されるミサンドリー』の中で、フェミニストの主張の女性中心主義を指摘している。ネイサンソンとヤングは、女性中心主義が司法や行政において蔓延しており、男性に対する制度的な差別を引き起こしていることを指摘している。
脚注[編集]
参考文献[編集]
- ポール・ネイサンソン&キャサリン・K・ヤング 著、久米泰介 訳『法制度における男性差別 合法化されるミサンドリー』作品社、2020