奈川渡改良

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奈川渡改良(ながわどかいりょう)とは、国道158号線、長野県松本市内区間で行われている、道路の線形改良工事。奈川渡ダムより梓川沿いに下流側2.2kmを、新設のトンネル2本と橋梁でつなぎ、急カーブや狭小な線形を改良する事を目的とする。

背景[編集]

この区間は、上高地など観光地に向けた大型バスが多数通過し、同時に長野県中南部と岐阜県を結ぶ重要な物流交通路、そして上高地・乗鞍高原などを含む安曇地区の、緊急通行路でもある。

しかし、現道の入山トンネル、大白川2号・1号トンネル、ずみの窪トンネル、小雪薙トンネルは、いずれも法令の建築基準を満たさない小さなトンネルで、大型バスやトラックの行き違いが困難であったり、通過待ちが発生する状況である。そのため、特にこの区間は事故や渋滞が多発するうえ、周囲の地盤の安定は信頼にかけ、土砂崩れなどの発生時は大きく迂回を必要とする。これを解決するため、奈川渡改良事業が進められることとなった。

落石等の危険個所11か所、大型車通行困難個所5か所、大型車離合不能トンネル4個所が、本改良によって解消する見込みである。

建設[編集]

新設される区間は、奈川渡ダムから現道の新入山トンネル・入山トンネルに繋がる新入山トンネル(延長400m)、大白川を超える大白川大橋(80m)、再度現道と合流するまでの大白川トンネル(1530m)および接続道路の計2.2km。

民主党政権下で一時は事業仕分けの対象となったが、2010年に計画が本格化し、2011年に事業化。2016年3月に大白川トンネル(当初の呼称は2号トンネル)工事が開始され、2019年7月19日貫通、設備工事に入る。橋梁も中央の橋脚工から着工し、大型クレーンを用いない方式で2023年5月までに設置。新入山トンネル(当初の呼称は1号トンネル)の着工に向け調査が開始された。

工費は当初110億円を見込んでいたが、土壌に重金属を含むことが発覚したため、処理費が上乗せされ、現在は146億円と言われている。

参考[編集]