大東犬

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大東犬(だいとうけん)は沖縄県大東諸島南大東島北大東島)の地犬で、日本犬の一種。起源はよく解っていない。血統書はない。

特徴[編集]

顔つきや体つきは、典型的な日本犬の姿をしている。然し、他の日本犬には無い、大東犬唯一の特徴は、足が非常に短く、がに股であることである。純粋な大東犬はダックスフントのように脚がかなり短く、ちょこちょことした歩き方をするが、これの血が薄い和系犬は脚が長めになっていることもある。耳は立ち耳で、尾は巻き尾若しくは刺し尾で、巻き尾の犬はやはり他犬種同様、老化によって尾の巻き具合がゆるくなる傾向がある。コートは通常の日本犬と同じ硬めのショートコートで、毛色に制限は無い。暑さに強いが、寒さにはそれほど強くない。性格は主人に忠実だが人馴れはあまりよくなく、気性はやや荒っぽい。この荒っぽさはいわゆる猟犬気質と呼ばれるもので、本種特有のものではない。家庭犬としては番犬として見張りをする傍ら、主人や家族と一緒に過ごすことを幸せに感じている犬種である。脚は短いが運動量は普通の日本犬と同じで、罹りやすい病気は皮膚病椎間板ヘルニアなどである。

減ってしまった大東犬[編集]

昭和以降に島に持ち込まれた他犬種との交雑が進んでしまったことなどにより大東犬の頭数は激減してしまった。終いには大東島内にいたこの種の純血のメスはすでに生き残っておらず、残された5頭のオス犬たちも皆年老いており、島内の犬だけでは繁殖できなくなってしまった。

しかし、この犬種を復活させようとする地元住民のプロジェクトが立ち上げられている。 似たタイプの犬を掛け合わせて、平成12年(2000年)、とうとう復活第一号の子犬3頭が誕生した。

その後大東島外で分散飼育されていた大東犬のつがいが発見され、大東島に送られて繁殖が徐々に進み、頭数も年々回復してきている。遺伝子プールの閉塞を防ぐために時々非常に純血に近い大東犬の和系犬の血が加えられ、深刻な遺伝子疾患や近親交配が発生しないように愛好家は気を配って繁殖を行っている。

この調子で犬種としての特徴がしっかりと定まり、頭数を安定させることが出来れば正式な日本犬として登録するための手続きが行われることが予定されている。まだまだ再生活動は始まったばかりではあるが、地元住民や熱心な愛好家の手によって大東犬を完全に復活させるための活動が活発に行われている。


関連項目[編集]