坂東三十三観音
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坂東三十三観音(ばんどうさんじゅうさんかんのん)は関東7県(神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県)にある33か所の観音霊場である。「坂東三十三箇所」ともいう。全行程は1300㎞ある。巡る順序は自由である。
由来[編集]
源平の戦い後、関東武士は平家追討などで西上した折、西国三十三観音霊場を見聞し、その気運が起こった。頼朝はきわめて熱心な観音信者であったことから機運が起こり、1192年(建久三年)、後白河法皇の四十九日の法要を鎌倉の南御堂で頼朝が行った。ここに武相の僧侶700名が招かれ、そのうちに杉本寺・岩殿寺・勝福寺・光明寺・慈光寺・浅草寺、いわゆるのちに坂東札所となった寺から合計21名が招かれた。実朝のときに機が熟して制定されたと伝わる。1234年(天福2年)に坂東札所が巡られていたことを示す確実な史料がある。それによれば福島県東白河郡八槻村の都々古別神社に残る観音像造立についての「墨書銘」があり、成弁(おそらく山伏)が三十三カ所を巡礼中、常陸八溝山観音堂に三百力日参籠し、別当の求めに応じて観音像を彫造したとされる。
1560年(永禄三年)の『杉本寺縁起』には「永延二年戌子の春、忝も法皇御順礼の勅命有て、当山を以て坂東第一番と定め御順礼有り、夫より今に至るまで貴賎の順礼絶せずとなり」と記されている。
日本百観音[編集]
西国三十三所・坂東三十三観音・秩父三十四所を合わせた100カ所の観音霊場を日本百観音という。
坂東三十三観音一覧[編集]
- 第一番 大蔵山 杉本寺
- 第二番 海雲山 岩殿寺
- 第三番 祇園山 安養院
- 第四番 海光山 長谷寺
- 第五番 飯泉山 勝福寺
- 第六番 飯上山 長谷寺
- 第七番 金目山 光明寺
- 第八番 妙法山 星谷寺
- 第九番 都畿山 慈光寺
- 第十番 巌殿山 正法寺
- 第十一番 岩殿山 安楽寺
- 第十二番 華林山 慈恩寺
- 第十三番 金龍山 浅草寺
- 第十四番 瑞応山 弘明寺
- 第十五番 白岩山 長谷寺
- 第十六番 五徳山 水澤寺
- 第十七番 出流山 満願寺
- 第十八番 日光山 中禅寺
- 第十九番 天開山 大谷寺
- 第二十番 獨鈷山 西明寺
- 第二十二番 妙福山 佐竹寺
- 第二十三番 佐白山 観世音寺
- 第二十四番 雨引山 楽法寺
- 第二十五番 筑波山 大御堂
- 第二十六番 南明山 清瀧寺
- 第二十七番 飯沼山 円福寺
- 第二十八番 滑河山 龍正院
- 第二十九番 海上山 千葉寺
- 第三十番 平野山 高蔵寺
- 第三十一番 大悲山 笠森寺
- 第三十二番 音羽山 清水寺
- 第三十三番 補陀洛山 那古寺
巡礼用品[編集]
- 管笠(すげがさ)
- 輪袈裟(わげさ)
- 白衣(はくい)
- 手甲(てっこう)
- 数珠(じゅず)
- 杖袋(つえぶくろ)
- 金剛杖(こんごうづえ)
- 鈴(すず)
- 絆(きゃはん)
- 白地下足袋(しろじかたび)