吸血鬼に彼女役を頼んだ結果→とんでもないことになりました

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吸血鬼に彼女役を頼んだ結果→とんでもないことになりました』(きゅうけつきにかのじょやくをたのんだけっか→とんでもないことになりました)は、すえばしけんによる日本ライトノベル作品である。イラストはレナ・A-7

概要[編集]

2015年10月20日に一迅社文庫より刊行されたライトノベル作品。すえばしけんによる『祓魔科教官の補習授業』に続くライトノベル作品。一迅社文庫のロゴが変わってからの初めての新作。

テレビアニメ『俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件』の第5話「友達だけ」にて、有栖川麗子が本作を読んでいる場面がある。同じ一迅社文庫刊行の作品ということで登場したと思われる。

ストーリー[編集]

人間の暮らす世界と異形種の暮らす世界を結ぶ門(ポータル)が公的に確認された世界。門についての研究が進んで、OSと呼ばれる市民権を得た異形種も人間の世界で1%程度存在するようになっている。そんな門の出現状況が高い場所である雲戸瀬町で暮らしている真城大河。そんな中、怪我をして倒れていた吸血鬼リーゼロッテ・フォン・ヴェルトハイムを見つけて、アパートに連れてきたところで匿ってほしいとお願いされる。大河は自分の特異体質のせいでOSに迫られることを減らすためにリーゼロッテに匿う代わりに彼女役になってもらうことを提案。一緒に暮らすことになった。

登場キャラクター[編集]

真城 大河(ましろ たいが)
本作の主人公。雲戸瀬北高校二年生の男子。特異体質で保有している精気(エナジー)が質も量も常軌を逸している。そのため、人間離れした耐久力、魔力・妖力に対する抵抗力があり、素手のダメージだけでんくOSの特殊能力も無効化する。また、精気がOSにとって上質な餌で力を底上げする燃料になるため、OSに血液や体液を求められる。質がいいため、力の弱いOSには過剰摂取反応を引き起こすことがあり、アルコールに酔ったような状況になる。こうした体質で顔が怖いと思われることも多いため、トラブルに巻き込まれて伝説の不良のような噂をされている。さらに精気を独占しようとするOS、特に異性のOSによく狙われる。そのことが合わせって女癖の悪い不良と噂される。
高校入学と同時に親元を離れて雲戸瀬町の安アパートで暮らす。そこでも同じようなトラブルにあっていたが、そんな中で怪我をして行き倒れていた吸血鬼リーゼロッテを見つけて抱き起こしたところを吸血される。そしてリーゼロッテを自室に連れてきて、リーゼロッテに謝罪と感謝を述べられる。そして、リーゼロッテに匿ってほしいと提案されて、考えた後に引き受ける代わりに他のOSを近づけさせないための恋人役になって欲しいと提案。リーゼロッテの保証人となってOS組織に紹介した。
ハルトマンがリーゼロッテを連れ戻しにきたことに反感を覚えて戦闘に加わる。そこで、ハルトマンの弱点に気づいてキスをして精気酔いをさせて勝利する。そこで、リーゼロッテに血を交換する口づけをされて皇帝にされるのだった。
OSを体質で引き寄せていると思っているが、大河自身のお人好しの性格のせいもあると気づいていない。
リーゼロッテ・フォン・ヴェルトハイム
選帝者《鉄槌の姫》の吸血鬼。圧倒的な筋肉を持っているため、鉄槌という異名をつけられた。怪我をして行き倒れていたところを大河に抱き起こされたところを思わず吸血してしまう。本来なら吸血はしてはいけないため、大河の自室に連れてこられたときに謝罪と感謝を述べた。そして、大河に匿ってくれないかとお願いしたところ、その代わりに恋人役を頼まれて了承する。そして、大河と一緒に暮らすことになった。吸血鬼を捕まえたことで『大理石の窓』によって、大河の真下の部屋があてがわれた。
ハルトマンに連れ戻されそうになって戦闘となり、大河によって勝利。そこで大河を皇帝に選ぶための儀式を行ったことでハルトマンを帰らせた。
金髪巨乳で、舞亜に大きな胸を羨ましがられている。
久留須 舞亜(くるすまいあ)
中学三年生。鳥妖(ちょうよう)の一種で半人半鳥のOS。『大理石の窓』というOSコミュニティを取りまとめている一族。母親は『大理石の窓』の最高運営者。
雲戸瀬町に引っ越してきた大河に近づくOSの異性を制限したりトラブルの手助けをする代わりに精気を分けて欲しいと提案。精気目的と言うのを正直に言ったことで大河に信頼され、大河のマネージャー的役割となる。大河に対して精気だけでなく、好意をもっている様子。
犬伏 日和子(いぬぶせ ひわこ)
大河の隣室の住人の女性。表向きは20歳の女子大生として振舞っているが、実際は人狼と人間のミックス。人狼の特徴が多いため、OSとして登録されて政府機関の公安調査庁亜人局所属となっている公務員。大河と大河に近づくOSを監視して報告している。
吸血鬼に襲われたところをリーゼロッテに助けられる。そのため選定者の捜索の命令が出た時も、恩のあるリーゼロッテを引き渡すことができないでいたが、自分が動かなくても近いうちに見つけられて情報隠蔽や職務怠慢の責任を取らされて戦争になるかもしれないという可能性もあるために悩む。だが、ハルトマンがリーゼロッテを連れ戻そうとしたときには、言い訳をしながらリーゼロッテを助けた。
反応してしまうため、隠しごとはできないタイプ。
鳳龍院 千登里(ほうりゅういん ちどり)
退魔師の名家の鳳龍院家の生まれ。将来を嘱望されていたが、召喚と使役でつまづく。そして、焦って奥義の書で独りで術を会得しようとして失敗し、謹慎及び無期限に退魔師の一線から外される。そのため、名誉回復のために捕えようとしていた吸血鬼を倒したという大河をはぐれ退魔師と勘違いして勝負を挑んでくる。しかし、大河には術がまったく効かず、代わりに対戦することになったリーゼロッテにも通用せず、龍を召喚してしまう。また、制御できずに暴れさせてしまうところを大河の言葉で相手が望んでないことを命じても従ってくれないと悟って「あなたは、やりたいことをやっていい」と命じる。そして、竜を顕現することに成功するも大河を連れ去ってしまう。リーゼロッテたちによって大河は救出されるも、祖母にこっぴどく怒られた。
エーリヒ・ハルトマン
かつてのリーゼロッテのお目付け役で厳しくも優しく育ててきた。リーゼロッテの知る中で最強の人狼。
リーゼロッテを連れ戻すために人間の世界にやってくる。リーゼロッテ、日和子、舞亜の三人を相手にしても優位に戦いをすすめるも、大河にキスをされて精気酔いしたことで敗れた。
クラルヴァイン
吸血鬼の大貴族。野心家で選帝者のリーゼロッテを手のうちに入れようと軍を動かした。
コボルト
コンビニ店員として働いていたところ、不良に絡まれて血がにじんだ大河の上質な精気に触れてしまい、過剰摂取反応を引き起こして、大河に結婚を申し込んで昏倒してしまう。大河が自分の体質のことを警察に話したため、大事にはならなかったが、コンビニにいづらくなって別店舗のコンビニに異動した。
吸血鬼
名前を言う前に攻撃を受けるため本名不明の男。上位吸血鬼ボルン伯の城で下働きしていたが、備品を懐に入れる癖があって事が露見したことで住居と職場を捨てて姿をくらました。クラルヴァインがリーゼロッテを捕えようとして内乱になった混乱の隙に門を抜けて人間の世界にやってくる。そこで吸血鬼の身体能力を使って悪事を働いて、自分の名前を知らしめようと人間を襲うようになる。日和子を襲ったところでリーゼロッテに倒されて捕まる。その後も脱走しようとしていたが、ハルトマンにリーゼロッテについての尋問を受けたことで心が折れる。
柳木局長(やなぎきょくちょう)
犬伏日和子の上司。日和子をからかうのが楽しみ。
鳳龍院 廣乃(ほうりゅういん ひろの)
千登里の祖母。当主の地位について、政府との結びつきを深めてOSのトラブル解決を請け負う。そして勢力を拡大させていき、鳳龍院家を退魔師の代名詞的存在にした。
山田 一郎太(やまだ いちろうた)
雲戸瀬南高校三年生で周辺の不良、ヤンキー連中を束ねていた最強無敵のケンカ屋。『南高(なんこう)の人食い鬼』と呼ばれていた。大河と決闘するために神社に呼び寄せたが、その前に吸血鬼に襲われて引きこもってしまう。その後、正気を取り戻したが、錯乱した姿を見られたことで顔役の座は引退する。

用語一覧[編集]

OS(アザーサイダー)
『あちらがわの者』と呼ばれる異形種が人間の世界で市民権を得て住みついた者たち。何らかの事情でこちら側の世界にやってきて、人化の術を使うものがほとんどなため、見た目は人間と大差ない。特殊な能力を持つ者も多いが、OS自身が治安組織に協力して問題は少なくなる。門の出現状況は協定で監視されていて、気安く行き来はできない。人間の世界における1%程度がOSと言われている。
雲戸瀬町
大河たちの暮らしている町。門の出現状況が高い場所として政府に特異点指定を受けている。
雲戸瀬北高校(くもとせきたこうこう)
大河の通っている高校。偏差値そこそこの進学校。
雲戸瀬南高校
不良が集うことで有名。
大理石の窓
OSのコミュニティ。久留須の一族が取りまとめており、OSと人間の間がうまくいくように調整している。OSの互助組織として生き場のないOSを支援しているが、犯罪者には手を貸さない。
亜人局
亜人の活発な地域に置かれる調査・監視機関。
吸血鬼
人間が吸血されると一定確率で吸血鬼に転化される。転化された吸血鬼は正気を失って暴れることが多い。現在は後天的な吸血鬼化はワクチンで抑制できるようになっている。
魔眼による精神操作系の術が得意なのが多い。
選定者
異形種が住む世界にある帝国の皇帝を選ぶもの。大きな帝国の中に各種族の自治体がいくつもあるので皇帝の立場は大きい。選定者は神託によって選ばれ、吸血鬼の中から「血の交換」という儀式を行って皇帝を任命して、自分は皇妃につく。
選定者には他人の身体を作りかえる力があり、体内に取り入れると進化するため、吸血鬼と言う種を一段上に進める存在として認識されている。

単行本[編集]

一迅社文庫一迅社)より刊行。

タイトル 初版発行日 ISBN その他
吸血鬼に彼女役を頼んだ結果→とんでもないことになりました 2015年11月1日(2015年10月20日発売) ISBN 978-4-7580-4763-0

外部リンク[編集]