受胎告知 (レオナルド・ダ・ヴィンチ)

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ダ・ヴィンチ『受胎告知』

受胎告知(じゅたいこくち、英:Annunciation、伊: Annunciazione)はアンドレア・デル・ヴェロッキオの工房で、レオナルド・ダ・ヴィンチが1743年から1745年頃にかけて描いた絵画である。

概要[編集]

受胎告知は大天使ガブリエルキリストの受胎を告げるために聖母マリアのもとを訪れる場面を描いた。受胎告知の場面は多くの画家が主題としている。注文者は不明である。長い間、フィレンツェ近郊のサン・パルトロメオ修道院の食堂またはドメニコ・ギルランダイオ作として聖器室に飾られていた。1867年にサン・パルトロメオ修道院からウフィツィ美術館が購入した[1]。レオナルドの20歳代の始め頃の作品であり、まだ師のヴェロッキオ工房に所属していた時期である。

構図[編集]

全体の構図はレオナルド・ダ・ヴィンチのものではないと言われるが、細部はレオナルド・ダ・ヴィンチが手掛けている。マリアの着物の襞はレオナルド特有の描き方である。

象徴するもの[編集]

天使が手にする百合の花は、純潔の象徴である。マリアが処女であること、及びフィレンツェを示している。精霊の存在を示す鳩は描かれていない。サイプレスの黒は死を象徴している。天使の翼は、実際の鳥の羽から立体的に描いている。しかし、後世の画家により長く伸びた翼に描き直されてしまった。

構図の問題点[編集]

構図の弱点は次の通りである[1]

  1. 右側の糸杉と建物の壁との重なり具合が不自然に見えること。
  2. 手摺が天使のうしろで不自然に分断されていること。
  3. 聖母や天使の顔がレオナルド・ダ・ヴィンチのスタイルではない。
  4. 書見台に置かれるマリアの腕の書き方が不自然に見える。

諸元[編集]

  • タイトル:受胎告知
  • 作者:レオナルド・ダ・ヴィンチ
  • 素材:
  • サイズ:98cm×217cm
  • 所蔵:ウフィツィ美術館

[編集]

  1. a b 後藤茂樹(1977)『世界美術全集 5 レオナルド・ダ・ヴィンチ』集英社