半持ち
半持ち(はんもち)とは、主として競走馬の所有形態の俗称として使われる言葉である。
概要[編集]
セレクトセール・庭先取引等で購入した馬の価格の半額を生産牧場が出す代わりに繁殖入りする際は生産牧場が引き取るという契約から転じ、馬を購入後に牧場が半額を出す話を持ちかけ「名義上は個人馬主・単一の法人馬主の持ち物。しかし実態は生産牧場との折半」という共有状態にすることも指す。
半持ちのメリットとしては
- 自分の名義・勝負服で走らせる事ができる
- 金銭的な負担が軽減する
- 生産牧場とのパイプが出来、良い馬を売ってもらいやすくなる
などがある。反対にデメリットは
- 出走レースなどを全て自分1人の判断で決められない
- 入ってくる賞金や出走手当などが半減する
- 引退後も所有できない
などがある。デメリットの1.と3.については牧場との話し合い次第だが、賞金や出走手当が減る事については話し合いでもどうにかすることは難しい
馬主資格を有していない或いは主催団体に馬主として登録していない個人・法人が現役の競走馬を所有して出走させることは競馬法で禁止されており、発覚した場合には馬主資格を停止させられる名義貸しという行為に該当する。当該競走馬が馬主登録されていない・資格を持たない生産牧場と半持ちになっているかどうかは一般の競馬ファンには判断する術は皆無に等しく、真偽不明の「◯◯(馬の名前)は◯◯(馬主)と◯◯(生産牧場)の半持ちらしい」という話が酒の席などでの与太話として交わされる程度である。
反対に、馬主資格を有する個人・法人同士で馬を共同所有することは認められている(オーナーズクラブ)。この場合、表に出る馬主の名前は共同所有者の中の代表者1名のみのため、馬主資格を持っていて登録もしているが、1頭丸ごと持つのは重荷に感じる人や名前を出したくない人が利用しているとされる。また、共同所有馬に独自の冠名をつける馬主もいる(ex:アスクビクターモアの冠名『アスク』<馬主名義は「廣崎利洋HD(株)」、廣崎利洋・吉田照哉の共同所有[1])なお、個人所有馬がいない場合でも、半持ちやオーナーズクラブで1口以上保有することで馬主登録は維持される[2]ので、馬主資格をキープするために使うこともできる。
脚注[編集]
- ↑ 【日本ダービー われかく戦う】アスク・廣崎利洋オーナーが初ダービーに2頭で挑む 「今が一番幸せ」サンケイスポーツ、2022年5月23日、同日閲覧
- ↑ “PROについて”. 株式会社レックス. 2019年8月23日確認。