追放系

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勇者パーティ追放系から転送)
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追放系とは、Web小説のテンプレート展開の一つ。2018年には小説投稿サイト「小説家になろう」で大流行した。パーティー追放もの追放もの勇者パーティー追放系ともよばれることがある。あるいは元祖作品は富士見ファンタジア文庫の『風の聖痕』や獣と魔物と煉獄と…だが、「真の仲間テンプレ」ともいわれる。真の仲間テンプレとは見たことないがどこが書いてた

テンプレートの展開[編集]

  1. ファンタジー世界で、主人公は実力あるパーティーに所属して戦っている。
  2. しかし、突然、パーティーから追放を言い渡される。主人公は努力しているのにもかかわらず、仲間からこれまでいかに役立たずだったかと罵倒される。
  3. 実際には、主人公は有能だった(最強だった)と判明する。
  4. かつてのパーティーの仲間たちは不幸な目にあう(ざまぁ)。この際、主人公は直接復讐するという形をとる場合と、とらない場合で話のテイストは異なる。
  5. 主人公はその力で新たな仲間(美少女)・居場所を見つけて幸せを手に入れる。

系譜[編集]

女性向けのなろう小説によくあるテンプレート「婚約破棄もの」との構造の一致が指摘されており、これを男性向けに転換したものだとする議論もある[1]。また、異世界転生・転移作品の系譜を引くともいわれ、現実・異世界の関係を元のパーティ・新しい仲間に投影したものだともみられる。異世界転生・転移作品のランキング隔離の影響で転生・転移作品が避けられるようになった結果、異世界転生・転移作品と同じ構造を異世界(現地)のみで実現したものが追放系作品なのである。

追放系の元祖となったのは、風の聖痕や、Arcadia に投稿された 獣と魔物と煉獄と…【迷宮探索学園?】【習作】 2009/09/18 18:05 後続の追放系作品はこの作品の根幹と展開を模倣してるものが多い。

風の聖痕』テンプレートの展開[編集]

  • 一族の能力の才能がないので主人公を勘当し、追い出される
  • 主人公は出て行き、一族の能力とは違う能力を得て戻ってくる
  • 主人公は元は優しい性格だったが、復讐を考えるようになる
  • 主人公は馬鹿にしてきたヒロインを助けたり鍛えたりしてだんだん惚れられる

獣と魔物と煉獄と…テンプレートの展開[編集]

  • 主人公は希少スキルはないが同期ではトップクラスの戦士で副リーダーでリーダ-がやるべき雑用もやってたのに、リーダーが勝手に他の人物を勧誘し主人公を追放してしまう
  • 追い出す際に主人公装備を奪う
  • 元のパ-ティ仲間や、他の人達は主人公が有能だと知っててリーダーの決定に不満
  • 主人公は前任リーダ-に後任のリーダーに指名されてたが、強スキルのみで現リーダーはリ-ダ-に成れた
  • リ-ダ-は嫉妬で主人公を追い出した

主人公を追い出すときリ-ダ-が勝手に勧誘して入れた人物はスキルはそれなりにいいが、主人公の脱退をカバ-できる汎用性のある有能さはない

  • リ-ダ-は他からの扱いが悪くなる
  • 主人公は冒険中危機の人物達を助け、助けた人物達とパーティを組む


なろうでは2013/11/07に投稿されたWeb小説『ありふれた職業で世界最強』が追放系の元祖?この作品は書籍化もされるなど好評でその完成度も高い

その後なろうのランキングの上位を追放系が多く占めるようになる。『真の仲間じゃないと勇者のパーティーを追い出されたので、辺境でスローライフすることにしました』は、捨てられた後スロ-ライフになり、主人公は最強というわけではなかったが、後続作品の多くはチート要素を組み合わせ、主人公が実は最強であったとするものも多い。

異世界ファンタジーに「パーティ追放もの」ブーム!? 世相や願望を反映?以前からおなじみの類型? このジャンルは定着するか」なんていうTogetterまとめができる程度にはジャンルとしても定着した感がある。

一時はランキング上位を独占していたが、2019年9月現在ではその比率は低下傾向にある。とはいえ、他に有力なテンプレもなく、まだまだ勢力を誇っている。

作品の例[編集]

カッコ内は初投稿日。

2002年[編集]

2009年[編集]

  • 獣と魔物と煉獄と…(2009年09月)

2013年[編集]

2017年[編集]

2018年上期[編集]

2018年下期[編集]

2019年[編集]

注釈[編集]

関連記事[編集]