仮定の質問には答えない

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仮定の質問には答えない(かていのしつもんにはこたえない)は、主に政治家が他の議員や記者からの質問に対する回答を拒否するのに使われる常套句である。

問題点[編集]

「仮定の質問には答えない」という表現は、未来のことを想定することは難しいので、答えることができない、という意味であり、一見妥当なようにも思えるが、実は問題が多くある表現である。そもそも政治というのは、仮定によって成り立っているのである。例えば防衛は、「外国から攻撃を受けた場合どうするか?」という仮定をして行っているものであるし、社会保障なども、「失業者が出た場合どうするか?」「高齢化が進んだ場合どうするか?」という仮定をして行っているものである。また、政治家になるために行った選挙運動でも、「私が議員になったら○○します」という仮定をしていたではないか。してみると、仮定の質問に答えられないような人は、政治家として不適格である。日常生活においても、例えば就職面接で、「弊社に入社したら何がしたいですか」「仮定の質問には答えられません」では、確実に不採用となるだろう。また、人間はそもそも、仮定をすることによって知能・技術を発達させてきたのだ。例えば、「もし凶作になったらどうするか」という仮定があったから、長期保存ができる食品が開発されたのだし、「もし権力者が暴走したらどうなるか」という仮定があったからこそ、立憲主義が生まれたのである。

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  • 2021年1月、COVID-19による緊急事態宣言が発令された際、宣言を延長する場合、1カ月程度を想定しているのか問われた菅首相は、「仮定のことについては私からは、答えは控えさせていただきたい」と回答した。
  • 2018年、森友学園との国有地取引の決裁文書が改竄されたなら責任論になるか問われた当時の麻生財務相は、内容が不明な段階で「仮定の質問にはお答えしかねます」と回答した。

関連項目[編集]