人性論
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人性論(じんせいろん)とは、儒教における人間の本来性をめぐる論説。
概要[編集]
戦国時代、孟子は性善説を唱え、告子の性無善無悪説に対抗した。一方、荀子は性悪説を唱え、礼による後天的な修正の必要性を説いた。
漢代になると、董仲舒や王充が人間を道徳的レベルに応じて上品・中品・下品に分ける性三品説を唱え、これが後の儒教において標準的な性説となっていく。唐代の韓愈は性三品説にもとづく道徳実践学を提唱している。また前漢末の揚雄は性善悪混説を唱えている。
宋代になるとさまざまな性説が検討されるなか、孟子・荀子・董仲舒・揚雄などが再評価されるが、次第に王安石や程頤・程顥・朱熹などによって評価された孟子の性善説のみが取り上げられるようになっていった。
儒教以外の人性論[編集]
人間の本性全般に関する研究(人間本性論)を人性論と呼ぶことがある。
例えば、人間の悟性、感覚、道徳を取り扱ったデイヴィッド・ヒュームの著作 A Treatise of Human Nature は、『人間本性論』とか『人性論』と訳される。